【映画感想】あなたが主人公だったのか!『ラストマイル』(2024・日本)
楽しみにしていたラストマイルが公開になったので早速観てきた。
制作発表からこれまで随分長く待っていたような気もするし、あっという間だったような気もする。理解できないところもあっただろうから、もう一回観たいな。一切ネタバレしたくない方はこの先ご注意を!
好き度:★★★★★
ファン大歓喜
シェアードユニバース最高!アンナチュラルもMIUも、音楽だけでこれ!とわかるのがすごい。私の中に刷り込まれている。そして思ったより出てきてうれしい!MIUの2人がまだ相棒でうれしかったし、UDIのみんなと六郎の関係も続いていて良かったし、安心した…。あと刈谷さんそんな出てくると思ってなかったよ。
主人公
全員が主人公になる野木脚本、本当にすごいな。エレナと孔はもちろんそうなんだけど、配達員の親子だってヤギさんだって、あの親子だって、山崎だって主人公だ。
子供を、家族を守ったのがあの洗濯機だったっていうのがもう泣けて泣けて。自分が守りたかったけど守れなかったものを、お客さんの家でたまたま見つけることになるなんて思ってもみなかっただろうな。
歯車
止められない物流のその先にあるのが私たち「お客様」の欲望である、ということにゾッとした。セールだなんだと購買意欲を煽られながら、ネットショッピングを楽しんでいる自分の姿が浮かんだ。涼しい部屋で体も動かさずにショッピングしている私に届くまでどれだけの人が動いてくれているのか。
これまで時間指定をしておきながら再配達になってしまうことがあって、本当に申し訳なくてどうしようもなかったのだけど、やっぱり今後二度としたくないな。そういう、個人的に反省する部分もありながら、本作は動き出して止まらない社会の仕組みをなんとか止めようとする話だった。
そしてもうひとつ、「実在の組織とは関係ありません」みたいな最後の注意書きに加えて、一人で抱え込まないでというメッセージもあったのがこの作品の強い主張でもある。