欲に打ち勝ちたい
先日、スーパーでプリンアラモードが10%OFFになっていた。
しかも、秋仕様。蜜いも味だ。
これは食べるしかない。
買うことは即決だったけれど、何個買うのかが問題になった。1人ひとつ食べるのが基本中の基本でも、甘いものを食べるときはカロリーが気になってしまう。(ポテチを食べるときも気になる)
わたしは30代になって、ようやくカロリーのことを気にし始めた新参者だ。
甘いものをいっぱい食べたくて、連日チョコやらアイスやらをひょいひょい食べていた春と夏。
ある日、体がだるいような感覚があった。
あれ、体がダルい。なんでだ。
何もしてないけど。
「体がだるい」でネット検索してみる。
思い当たる節がないか項目を見ていると、
「甘いものの摂り過ぎで、体がだるくなることがある」と書いてあった。
わたしのこと?やばい。
それから、一応カロリー表示を確認しだし、お菓子を食べるときは一人占めせず、はんぶんこするのがいいという結論に至ったわけである。(甘いもの=カロリーが高い=体がだるくなると思っている)
一度はプリンアラモードを2個手に取ったが、甘いものと体のだるさの関係を思い出し、こんなに美味しそうなものはカロリーが高いに違いない。はんぶんこして食べるのが丁度いい!と1個だけ買って帰ることにした。
家に帰り、あちぃあちぃと水分補給をして寛いでいると、お腹がなった。
わたしは買い物が面倒くさくならないように、スーパーの開店と同時くらいに入店し、さっさと買い物を済ませることがある。
この日は、まさにその日であった。
プリンアラモード……
食べたい…………。
お腹はぐるぐる鳴り続けた。
時計を何度見ても、お昼になるまで3時間は掛かる。
耐えられない。
夜ごはんのあと、じゃじゃーんと見せたプリンアラモードを、オオッと喜ぶ夫。
二人で美味しいね〜秋だね〜と言い合いながら、
仲良く食べるわたしたち。
プリンアラモード1個を手に取ったあのとき脳裏に浮かんだ光景が靄となり消えた。
すまないと思いながら、わたし(+ぎんじ)はプリンアラモードを食べ尽くした。
とても、とても、美味しかった。
夜ごはんのあと、1人(+ぎんじ)でプリンアラモードを食べた罪の意識が、わたしにジリジリとにじり寄って来た。
自分勝手だが、白状してすっきりしたい欲に駆られる。
てくてくと、ぎんじが夫の方へ歩き出す。
「あのねぇ、今日はプリンアラモード買ったんだ。秋限定のやつ!夜ごはんのあとみんなで食べようと思ったんだけど、お腹が空いたからふたりで食べ」
「ぎんじダメッッッ!!」
急いでぎんじの口を塞ぐ。
恐る恐る夫を見ると、「いいよ〜」と笑っていて、わたし(と、ぎんじ)は良かった〜と安心した。
いや、良くない。
次は、自分の欲望に打ち勝ちたいと思う。
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