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同人誌の価格よりもっと考えた方が良くない?と思うこと。

女性向けにとって古より定番の話題『頒布価格』がこの度も盛り上がりました。最近のツイッターは『一部のトンデモ発言』についてお気持ち表明する場になってるので、「みんな何か言いたいんだなぁ」という気持ちです。ちなみに私は欲しい本を買う時に考える事は『財布の中身で買えるかどうか』です。値段はちゃんと見てますよ、でも「ちょっと高いなぁ。やめよう」と思ったことはありません。

実際にイベント会場で頒布してる身として、黒字になるくらい刷って、それを2~3時間である程度頒布出来る体力のあるサークルは過半数以下だと見受けます。ほとんどの人は『自分のお小遣いの範囲』でサークル活動をしているはずです。私もそうです。(そもそも新刊は1回で売り切りません。次回既刊として搬入します。)

たかが知れてる即売会での頒布価格の値上げより、『二次創作で黒字=悪である』ならば、とらのあな等の委託販売の方がよっぽどアウトだと思います。少なくとも、数年前は今ほど委託は普及していませんでした。基本的に最速で新刊が手に入るのはイベント会場でしたし、ヲタク同志の交流は現地が最も盛んでした。BOOTH等の自家通販が大半でしたし、委託は在庫を「イベント後とらのあなで通販します。」といった形が主流でした。今はリアルイベントに殆ど参加せず、入稿前からとらのあな委託で売る(予約する)のが普通です。

一概に大手の委託販売を否定したい訳ではありません。ただ、一部のサークルで『完売』と『再販』を繰り返すのをみると「儲かってんな」と思わずにはいれません。web再録で中身が読めるので営利目的はないと言っても、本になり売買してる以上……儲けは発生します。

また、界隈の有力者やセミプロを募って発行されたアンソロジーも、『二次創作で黒字=悪である』ならば疑問視されたっておかしくありません。基本的に刷る部数も頒布される数も多くなるお祭り本だからです。

委託販売もアンソロジーも激しい学級会にならないのは、みんな嬉しい、楽しいからです。(大概のアンソロは影で揉めてますが……)結局私たちは私達が楽しければいいんです。快感を知ってしまったら元には戻れないんです。

どこまで行っても、突き詰めて行けば二次創作同人誌は著作権侵害です。昨今はフォロワー同士で楽しいからと、目立ち過ぎていませんか?でも目立たないと本が売れませんよね?

私は同人誌が大好きです。即売会も大好きです。描くのも読むのも大好きです。同人に文化的価値は感じませんが、同人でしか得られない興奮があります。ヲタクは元々サブカルチャーの分野でした。今はメインカルチャーです。昔は同人誌は『ある特定の場所』でしか目に出来ないものでした。今はスマホをタップすれば見れるし、買えます。描いた人に簡単に感想も送れます。もしかしたら趣味を越えて『ほぼお店』の様な感覚の人が多いのかも知れません。

同人活動って、なんだったのでしょうか?委託通販と、アンソロジー再販への批判では決してありません。ただ、『みんな楽しい』だけじゃない部分を今一度考えて活動した方がいいと思います。

きっとこんな記事は見向きもされず時が流れるのでしょう。明日も変わらずとらのあなの入荷アラートは送信されます。豪華なアンソロジーの発行も告知され続けるでしょう。公式のガイドラインやライセンス契約の請求などの一撃が降されない限り、止まりません。

『これは悪いことだ』という自覚があるならば、「うまくやろう」と思う他ないのです。悪意ある人から『金儲け』『搾取』と指摘される行いはしてませんか?

リアルイベントで本を頒布すること、手にすることは楽しいですよ。そしてあの場所でしか手に入らないものがあります。値打ちのつかない情熱があるのです。それはSNSや通販では手に入らないものなんです。静かに燃やしていきましょう。

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