私が麻雀プロを続ける理由(前編)
はじめまして。
こんばんは。
こんにちは。
えりにゃです。
初めてのnoteをご一読いただいた皆様、多読いただいた皆様、本当にありがとうございました。
私のことが少しは伝わっていたら嬉しいです。
今回はタイトルの通り、私が「麻雀プロを続ける理由」について書こうと思う。
直近様々な感情の揺さぶられる出来事があり、改めて「麻雀プロを続ける理由」について考えた。
せっかくなのでアウトプットして思考を整理すると共に、私の考えていることを皆様にお伝えする機会にしたい。
同じプロの方も、麻雀ファンの方も、麻雀界に関わらない方々も、イチ新人麻雀プロがこんなことを考えているんだなと何か感じて帰っていただけたら嬉しい。
私が麻雀プロになった理由
2023年1月14日(土)、私は日本プロ麻雀協会22期前期試験を受験した。
本格的に麻雀を始めてまだ1年と少しだった。
それでも麻雀が大好きで大好きでどうしようもなかった。強くなりたくて常に渇望していた。
私はそれまでの人生で自慢できることが何もない人間だった。
経歴だけ見た人は、「そんなわけない」と口を揃えて否定する。
地元で一番偏差値の高い高校を卒業し、現役で北海道大学に入学。
大学卒業後は、優秀すぎるがゆえに一味変わった同期が100人以上いる大手企業に入社した。
それでも私は自分に自慢できることが何一つないと思って生きてきた。
たしかに客観的に見て経歴は優秀かもしれないが、高校時代は全国大会に行くくらい実力のある部活だったのに大好きな合唱を1年で辞めてしまったし、北大も後期試験で拾ってもらっただけで、実際は前期試験で志望大学に落ちてしまった。
入社後は優秀な同期や同僚に囲まれ、毎日毎日差を感じながらそれでも辞めることができずに日々自分が削り取られていった。
私には何もない。本気でそう思っていた。
だからと言って、麻雀プロになったら何者かになれるとは全く思っていなかった。
逆に、何もない私だからこそ麻雀プロなんかなれっこないと思っていた。
ただ不安だけは人一倍だったので、もしかしたら人より勉強は多めにしたかもしれない。
毎日の移動中は点数計算や清一色アプリか、競技規定の穴埋めをやっていた。落ち着いて勉強できる日は過去問を何回も解き直した。
そうしてついに、日本プロ麻雀協会の試験日を迎えた。
正直緊張しすぎてテストの内容は覚えていない。
たしか小論文で「競技麻雀と遊戯としての麻雀の違い」というお題が出て、ルールの公平性や麻雀をする目的の違いなどについて触れた。それくらいしか記憶にない。
でもテストの後の面接は印象に残っている。
試験官の斎藤俊プロが、「あなたはなぜ麻雀プロになりたいのか?」と聞いた。
私は事前に考えていたことを身振り手振り一生懸命言葉を紡ぎながら述べた。
「私は麻雀や麻雀プロから非常に大きな影響を受けた」
「だから私も誰かにとって何かのきっかけとなる存在になりたい」
「そのためには麻雀の実力を高め、強くならなければならない」
「と同時に、人間としても成長していかなければならない」
「そのためにプロの世界という環境に身を置きたい」
多分こんなことをしどろもどろに語った。
もちろん全て自分の本心から語ったことだ。
語りながら私は、麻雀プロになりたい気持ちが強くなっていくのを感じていた。
日本プロ麻雀協会では、一次試験のあと複数回の研修を経て、最終試験の結果から合否が確定する仕組みとなっている。
22前期は何十人という同期がおり、そこでも私は特徴のない自分に劣等感を感じていた。
でも唯一私は「ガリ勉である」という特徴があった。何もない私は勉強するしかない。
研修後、同期とご飯に行って仲良くなりたい気持ちに後ろ髪引かれながらも、帰って復習する日々を過ごした。
最終試験では、自分に運も向いていて、自信がなかったテンパイチャンスも満点を取ることができた。
斎藤さんからテストの結果を返却される際、思わず涙がこぼれた。
「応援してもらっている友人の期待に応えられて本当に良かった。」
「一つのゴールを達成するとともに、スタート地点に立つことができた。」
そうして何者でもない私は、「麻雀プロ」になった。
麻雀プロ1年目の振り返り(good)
麻雀プロになると、楽しみにしていたリーグ戦が始まった。
結果に関わらず、競技麻雀をしているプロセスその一瞬一瞬がキラキラ輝いて見えた。
矢島さんの勉強会に参加させていただくなど、アマの時にはできなかった経験がたくさん押し寄せてきて、私は完全に舞い上がっていた。
ゲストの依頼もたくさんいただけた。
新人ということで会いにきてくださる方も多く、今思うと何者かになったように感じてしまっていたかもしれない。
タイトル戦の予選では、今までTVの中でしか観たことがなかったプロとたくさんお会いすることができた。
緊張して発声がうまく出てこなかったこともあった。
「こんなすごい人には勝てないだろう」という勝手な思い込みもあった。
だからこそ、初めて自分の力で勝ち進んだ本戦は喜びもひとしおだった。
本戦の会場で、憧れていたプロの方と同じ会場になっただけで喜びが溢れて止まらなかった。
麻雀に関わる全ての経験が私の「宝物」になった。
麻雀プロ1年目の振り返り(bad)
でも、もちろん良いことばかりではなかった。
プロとしてはある程度人気がある方が麻雀の機会をいただけることが多い。
しかし私は自撮りを撮ったり明るく元気にお話ししたり、いわゆる「前に出る」ことが根っからの苦手なのである。
それでも麻雀の機会がほしい。
そう思って苦手な自撮りやSNSを自分なりに精一杯行なった。
でも、本業もありどうしても麻雀ファンの方とお会いできる機会も少ない中で、人気投票系では全くと言っていいほど結果に繋がらなかった。
(そんな私に投票や応援の声を届けてくださった皆様のお気持ちは決して忘れません。ありがとうございます。)
苦手な中頑張ったのに結果が出ない。
頭では理解していても、心に「くる」経験だった。
そもそも私は完全なる「陰キャオタク」なのだ。
小さい頃からお外で遊ぶよりおうちで過ごしたいタイプだったし、お小遣いはお洒落には一切使わず全て好きなアーティストに注ぎ込んでいた。
更に私は元来断ることができない人間で、どんなに忙しくてもいただいたお仕事は基本全て受けるようにしていた。
(自信がないからというより、相手を傷つけずに断るスキルがないからだと自認している。)
来ていただいたお客様に喜んでいただきたい。
でも面白いお話ができるわけじゃない。
お客様に価値をお返しできているだろうか?
いただいた分の恩をお返しできているだろうか?
せっかくお客様と楽しい時間を過ごしているのに、そんな思いが私を支配していた。
そこに更に本業での長時間労働や、周囲からの期待を越えられない自分をどんどん責めた結果、
私はついに身体を壊した。
(その当時お仕事をお断りし、ご迷惑をおかけしたお店の皆様、本当に申し訳ございませんでした。)
今はその当時の反省を生かし、本業に力を入れながらゲストは自分のキャパの範囲内でお受けすることができている。
しかし当時は、自分が自分でない感覚、自分の身体と魂がブチっと切り離された感覚になった。
また、対局においても反省すべき点がたくさんある。
まず、リーグ戦は前後期どちらも昇級できなかった。
特に前期はボーダーまであと2人のところで昇級に届かず、「あの満貫に放銃してなかったら…」と放銃シーンを何度も頭の中で繰り返し想像した。
更に、中身についても非常に後悔が残る出来事があった。
詳しくは語らないが、ご迷惑をおかけした同卓者の方に申し訳なく、どうしても自分のことを許せずかなりの期間引きずった。
(柳田さん、当時突然電話して泣きながら支離滅裂な話をしてしまってすみませんでした…。本当にありがとうございます。)
こんな感じで初めての経験を沢山しながら多くの挫折と学びを得た、そんな一年だった。
もちろん辛いことも多かったが、それでも私は麻雀プロになってよかったと思っている。
そして今年の2月、私は麻雀プロ2年目になった。
(ここまでご覧いただきありがとうございます!長くなったので前後編とさせていただきます!もしよければご感想や後編へのご期待など、コメントよろしくお願いします!)
つづく🍀
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