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第一期日報告会の感想

2024年4月15日(月)14:00から行われた
「人種差別的な職務質問をやめさせよう!訴訟」
口頭弁論第一期日に行った。

正確には、傍聴しにいったが、
傍聴希望者が多く、抽選になり、
抽選に漏れたため、傍聴自体はできなかった。

しかし、その後で報告会があったので、
行ってみた。
傍聴しなかったからこそ、報告会は最初から聞けた。
後で仕事があったため、後半は聞けなかった。

なお、場所は霞ヶ関弁護士会館2階のクレオ講堂。
A、B、C全部を繋げたかなり大きな部屋だったが
満席であった。
いろいろな肌の色の、
いろいろなバックグラウンドの人が来ていた。
日本人の中学生と思われる、
セーラー服姿の女生徒たちもいた。

私は正直、社会運動系の集まり、
というかその、相手を批判したり闘ったりする
エネルギー渦巻く雰囲気が
とてもとても苦手なのだけど、
ここはそんな事は全く無く、
あくまで原告と同じ苦しみを分かち合い
原告の勇気や弁護団の働きに
サポートとリスペクトを示す、という
ポジティブな雰囲気に溢れていて
(訴訟を起こさなければならない状況は
悲しい事だけれど)
素晴らしかった。

報告は日本語と英語、逐次通訳で行われた。

今回の報告会の内容はネットで調べれば
いくらでも出てくると思うので、
私自身が聞き取れた範囲のメモと
印象に残った事をここに書く。

・まず、外国人への職務質問全てをやめろ
と言っているわけではない。
警察官が守るべき規則の中でも
「不審事由」があれば
職務質問をしていいことになっている。
例えば犯罪現場の近くで、
犯人と見た目が似ている人であれば
職質しても、違法ではない。
しかし「外国人ぽい」という、
見た目だけで判断して、通行人を止めるのは、違法。

・他の国でもレイシャルプロファイリングに関して
訴訟が起きているし、
日本でもレイシャルプロファイリングが
違法だと公表された例がある。

・今回の訴訟に関して、
応援や賛成の意見もあるが、反論もある。
例えば「日本の治安維持のために、
外国人への職質は必要」

しかし日本人と外国人で、犯罪率に違いは無い。

・アメリカでは、警察が
「特定の民族や人種の人の方が犯罪率が高い」
という統計結果を発表したことがあったが
実はそれは警察が、元から
その特定の民族や人種にフォーカスして
統計をとっていたからだと後から判明した。

・「なぜ職質くらいの事を我慢できないのか?
それくらい素直に警察に協力すればいい」

一日に数回、人生を通して何十回も
職質を受ける人がいる。
そしてその職質は若くて中学生の時から始まる。
外国人や、「外国人っぽい見た目」の日本人が
日常的に犯罪者/不審者扱いを受けることによって
「自分は日本に居ては行けないのだろうか?」
という気持ちを抱いてしまう。

・冤罪とその救済を研究している担当弁護士
「冤罪はレイシャルプロファイリングによって
起こる場合がある」

・レイシャルプロファイリングによる職質は
憲法14条(法の下の平等、差別禁止)違反。
自由権規約にも違反している。

・今回の訴訟の狙いは:
被告(国と県)に
①人種差別的職務質問は違法であると確認
②レイシャルプロファイリングが起こらないよう
国が監督すべきである
③レイシャルプロファイリングによって生じた
被害への慰謝料(一人300万円)

③に関しては、もちろんそのお金で
被害者の傷が完全に癒えるわけではないし
お金目的の裁判ではないので
「象徴的としての金額」

この点に関して、主人は
「お金は追求した方がいい。
組織が変わるのは、心が変わる時ではなく
財布に響いてくると分かった時だから。」
と言っていた。

・現在被告(国と県)は、
「レイシャルプロファイリングは存在しない。」
と認識している。
今後原告側がレイシャルプロファイリングが
行われた具体的状況を細かく明らかにし
原告側の主張と被告側の反論が繰り返される。

・原告(外国生まれ、8歳から日本育ち南アジア系)
のメッセージ
今回の訴訟は、日本以外に帰る場所の無い、
外国ルーツの人たちのために。
また、どんな見た目でも日本人でありえる
というのをノーマライズしたい。
勝敗よりも、まずこの問題をより多くの人が認識し
少しでも偏見が減らせたら良い。

・原告(外国生まれ育ち、黒人)のメッセージ
我々は一人じゃない。
同じ苦しみを経験する人たちのために立ち上がる。

・本日の裁判は訴状の説明。
今後被告側が争うか争わないかを示してくる。
裁判官たちはしっかり訴状を聞いていた。
次のステップはその訴状を立証していく。
そしてそれが評価される。



エリーの感想
今回「外国人のための」訴訟だと
漠然と思っていたけれど、そうではない。
ハーフやミックスの日本人
東アジア人ではない見た目の日本国籍保持者
という点において
日本人にも関わってくる話。

また、今回の件で私は「人を傷つけるからダメ」
という感情論だけで考えていたけれど、
それだけでなく
「憲法に違反しているから違法である」
という認識が新たに加わった。

とにかく

行ってよかった!
連帯を示せて良かった!

私は、文章を書く時、だいたい自分の経験から書きます。したがって、いただいたサポートは、今後も様々な経験をしにいくことに使わせていただきます。