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タイガース優勝と母のこと

2023年11月5日。
阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝いた。

母の影響で、私は生まれたときからタイガースファン。
前回の日本一のときはまだ2歳だったので、もちろん覚えていない。
やっとやっと日本一の瞬間を見ることができて、ほんとうに嬉しかった。

タイガースとの思い出で真っ先に思い出されるのは、母の運転する車で甲子園に行ったことだ。

タイガースが万年Bクラスの、暗黒時代の頃だった。
今のようにナビなんてない時代。
紙のマップを頼りに、片道3時間半の道のりを小さな軽自動車で向かった。
着いた頃には、甲子園周辺の駐車場はどこも満車。
そこで近くのボウリング場に停めようとしたが、ボウリング場の客以外は駐車禁止だと警備員が言う。(当たり前だよね…笑)
ただ、こういうときの母は強い。「わざわざ遠くから来てるんだから、お願い~!」と食い下がり、警備員を言い負かし、特別に停めさせてもらったのだ。
そんな母を見て小学生の私は少し恥ずかしかったのだけど、この厚かましさ?強引さ?を少し受け継ぎたかったなと、今ではときどき思う。

この日の試合の勝敗は覚えていない。
でも、行きのワクワク感や駐車場でのできごと、球場の雰囲気、帰りの車窓から見た夜空のことは、30年以上たった今でも覚えている。

のちにタイガースは暗黒時代を抜け出したけど、日本一までは遠く長い道のりだった。
大げさかもしれないけど、母が生きているうちに日本一になってくれてよかった。

母は十数年前から神経系の難病を患い、身体を上手く動かせなくなった。
私も今は九州に住んでいるのでなかなか会う機会もない。
また一緒に甲子園に行ける日は来るのかな。
今度は私が連れて行って、強くなったタイガースを応援したいな。
胴上げを見ながら、そんなことを思っていた。


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