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テロの被害者とは誰か。(映画:ホテルムンバイ)

映画を観ている間中、左腕をずっとつねっていたようで気づいたら真っ赤になっていた。引き込まれすぎないように自制していたのか、あるいは、かゆかったのか。

うーん、多分後者。いや、前者にしよう。かっこいい。「早く映画の中身の話をせい」と。
結論から言うと非常に良い映画だったし、noteを書けと散々友人に言われて無視し続けた私に、書く気を起こさせた凄まじい存在である。

あらすじ的なやつ
2008年インドのムンバイで起こった同時多発テロが題材。テロの標的となったホテルムンバイに閉じ込められた人質500人以上をどうにか助けようとするホテルマンたちの話。(ありがとうWikipedia)

あらすじが非常にテキトーなのはさておき、テロはこのホテル以外でもムンバイの複数箇所で発生し、3日間で約174名が亡くなってる。ホテルは写真のとおり爆破、放火され、まさに戦場のような有様。

実行犯は20代前半ぐらいの若い男の子達たち10人〜25人で、うち生き残ったまま逮捕されのは1人。
彼らを扇動する首謀者は別に存在し、映画の中でも電話で彼らを洗脳し、殺戮へと突き動かしていく。
映画の最後に首謀者はまだ逮捕されていない、とあるが2019年に逮捕されたらしい。にしてとテロから11年間もこの人間は生き続けたというわけだわ。

実行犯の若者達に見る悲劇
この映画の良き点は、実際に自分がテロ現場にいるような迫力もさることながら、実行犯の目線に立って描かれている点だと思う。

実際のテロを題材にした映画はあるが、大概「ヒーローと最悪な人」みたいなストーリーになるし、最悪な人は最悪な人として冷酷極悪、もう地獄行きィみたいな感じで彼、彼女らの視点では描かれることが少ない。

ところがこの映画は、実行犯の男の子達の視点からもシーンが描かれる。煌びやかなホテルに入って楽園のようだと驚く様子、トイレなるものを初めて見て感心する様子、美味しいピザを食べて感動する様子など。
自分の外の環境以外は何も知らない子達。
”What is your name?”という今の日本の子なら小学生で言える英語の文章すら聞いたこともない子達。

彼らは貧困層で教育も受けておらず、何も知らない。
ただ愛する家族のために首謀者から聞かされた報酬を稼ぐ目的でテロを実行する。

映画の中盤で犯行中だが家族に電話をかける実行犯グループの男の子がいる。「訓練はうまくいっているか」と聞くお父さん。息子からは、報酬の出る訓練に行っていると聞かされている。自慢の息子からの電話に心から喜ぶ。

そんな息子が泣きながら、お父さんに愛してると伝え、報酬の受け取りを確認したけれど、お父さんは受け取ってない、でも気にするなと答える。

この電話のシーンがずっと頭にこびりついてる。
実行犯の男の子達は、愛している家族を幸せにしたいだけなのに。人質側で家族を助けようと必死で戦う人達と気持ちは一緒なのに。
この事件の被害者とは、誰なんだろうか。そりゃGoogleさんに聞けば世の中のファクトを教えてくれるのだろうけど。

なーんて感じ。
いや、書く前に誰か私に「文章を書くことは難しいぞ」と。もっと言ってくれよ。え?こんな時間かかんの?
改行どやってすんの?ハッシュタグ?ポテト?

知らんやん。

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