ある天使の肖像(3)(短編・天使と悪魔シリーズ38話)
【天使のことが大好きすぎる悪魔と、彼に惹かれていく天使の、見た目BL小説群の38話目です。(これまでの話はマガジンをご参照ください)】
秋が過ぎ、冬になった。初雪が降ったその日、教会壁画の修復は完了した。色褪せていた聖人たちは鮮やかに蘇り、日曜に礼拝に来る信者たちの評判も上々だった。仕事の後片付けを手際よく行う画家に礼を言うと、彼はやはりいつものように微笑んだ。
「頼まれた仕事をしたまでです。喜んで頂けたのならよかった」
報酬を受け取った彼は顔を綻ばせ、初めて、私を食事