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音の繋がり
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どうしてママはソロの曲を弾かないの?と
娘に時々聞かれる。
思い出したように
バッハやショパンをさらっては
また楽譜を仕舞い込んでいる様子を見ているのか、
あれ、もう聞こえないなと思っているのか、
まあとにかく心が一瞬でギクッと疼くことを
子供というのは外せないタイミングで言うものだ。
だって時間がないんだもん!と言うのが
いちばんの言い訳。
才能も努力も足りなかったことは事実だけれど、
ソリストとしてご飯を食べていく夢を見たことは
考えてみたら一度もないのだった。
私は誰かと舞台に立つ方が
ひとりきりよりずっと好きだ。
朗読コンサートや歌の伴奏をするうちに
媒体がある方が気持ちよく演奏できると気づき
そして何よりアンサンブル、
室内楽の虜になってしまった。
気持ちを合わせてハーモニーが生まれる時の
何とも言えない喜びの。
数日前もコンサートがあった。
写真家のフレデリック氏が
たくさん撮ってくださった写真を
使わせてもらおう。
![](https://assets.st-note.com/img/1712673195565-DP9mqJHlNS.jpg?width=1200)
プログラムはピアノ4手から始まった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712692241478-6tYpc4tvOu.jpg?width=1200)
夫とは人生で一番舞台を共にしているのだから
今や緊張することは殆どない。
ブラームスのハンガリー舞曲を2曲弾いてから
スラブ繋がりでグリンカの悲愴トリオになった。
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このトリオは昨年
勤務している音楽学校の講師コンサートのために
結成された。グリンカしない?
と誘ってもらい
昨年は3、4楽章だけを弾いた。
あまりの美しさに
今年は全楽章を何処かで、という話から
この室内楽コンサートが生まれることになった。
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主席ファゴット奏者ステファン
![](https://assets.st-note.com/img/1712694373518-WMFXizPoMR.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1712694373483-oiOMz6PfeB.jpg?width=1200)
ファゴットとクラリネットの深く柔らかい音が好きだ。
この素晴らしい音楽家の2人と
縁あって一緒に音楽をできることになって
リハーサル中の私は、いつも夢見心地だ。
なかなか満足のいく演奏ができず
反省点ばかりだが、優しい彼らに救われている。
そして再び連弾。
メンデルスゾーンがクララ・シューマンと弾きたくて
書いたといわれる
アンダンテと華麗なるアレグロは
今までで一番うまくいった。
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後半はピアノ、フルート、クラリネットのトリオで
ファリャの恋は魔術師、
サンサーンスのタランテラという
豪華なプログラムで盛り上がった。
クラリネットのオディールも
フルートのデルフィーヌも賑やかで
常に喋っている2人だから
冗談の絶えない夫も混じると
リハーサルはコントのようだ。
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翌日、今度はクラリネット試験のリハーサルで会った
オディールは
来年はあれをやろう!これをやろうと
疲れも見せずに張り切っていた。
大人だって
まだまだ出会いたい音楽が
果てしなくあるのだ。
様々な人との出会いで人生はどんどん変わっていく。
音楽も変わっていく。
いつか時間を取ってソロの勉強を再びするようになっても
今友人達から教わっていることが
きっと生きてくるだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1712697925333-VDtmOdslQL.jpg?width=1200)
素敵な薔薇のブーケをいただいた
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