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世界の見方 PERFECT DAYS


前から気になっていた映画を
やっと観ることができた。
役所広司氏が
カンヌ映画祭で主演男優賞を取ったと
話題になっていたパーフェクトデイズだ。

役所広司扮する平山は
東京の公共トイレを掃除するという仕事をしている。

1日のルーティンを守り
仕事をきっちりすぎるほど生真面目にこなし
日々の小さな喜びを楽しんでいる。

金銭的には裕福ではなくても
彼のささやかな暮らしが
豊かさで満ちているのが伝わってくる。
淡々としたリズムが
2時間以上の長編映画なのに気持ちよく
ラストの平山の表情は圧巻だった。

映画は隣町の小さな映画館で
数日だけかかっていて、
日本人の女友達3人で観た。

後から友達が送ってくれた
ヴィム・ヴェンダーズ監督のインタビューの中で
平山が他の人と違うのは
世界の見方だと語っていて
ハッとした。


平山という名前は
小津安二郎の東京物語、笠智衆の役名と聞いて納得。

私もまた
平山のように
小さな世界でルーティンを守り
仕事をして一生懸命生きている。

でも彼のように毎日静かな笑顔で
世界を優しく見つめてはいない。
将来を心配し過去を後悔し
あっという間に時間が過ぎていく。

けれど本当はどこかで知っている。

日々を大切に大切に過ごしていれば
物事はなるようになるし
目の前のことに精一杯取り組むことが
一番大事だということを。
そして変わらない日々と思っていても
変わらないものなんて
ひとつもないのだ。

エンデのモモに出てくる掃除夫ベッポを
思い出した。

音楽も素晴らしい。

おまけ、Aoi Yamada
脇役も存在感のある俳優さんばかり



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