見出し画像

耳にきらりを再びもって

画像1

どんなに花を摘み取ろうとも

春の訪れは止められない

(パブロ ・ネルーダ)


国際女性デーである3月8日に

今年も私はひとつ歳を重ねた。

ぽつぽつ出てきた白髪を
嘆いていると
夜の黒い空に流れ星があるみたいで
綺麗だよと
言ってくれた娘、詩人の君に毎日救われている。

ありがとう。

画像5


顔まわりが寂しくならないように
金ピカの黒眼鏡を買い

ものすごく久しぶりに
ピアスホールを開けた。

若気の至りで

いくつもダメにしたピアスホールを

いつかまた開けたいとずっと思っていた。

イヤリングはマスクに

引っ掛かって取れるのが怖くて

ずっとしていない。

そうだ 誕生日にピアッシングしよう

と、思いついた。

フランスでは

病院で開けられない。

宝石店でもピアッシングサービスを

やっているけれど

簡単なマシーンでガチャッとやるだけ。

衛生的には

資格を持っているタトゥーショップの職人さんに

頼む方が安全らしい。

タトゥー屋さんといえば

いつも行く商店街に、

毎回快くポスターを

貼ってくれる優しいお姉さんがいる。

小柄で落ち着いた低い声で、

相手の目を見てゆっくりと話す人だ。

彼女に頼もうと思った。

画像6


3月8日の誕生日にピアッシングを、というと

女性デーだし良いですねと

にっこり笑ってくれた。

予約を取った時に

かつての失敗談を話していたので

当日は

体に優しいチタンピアスを用意してくれていて

慎重に開ける場所を決め

消毒の仕方も丁寧に教えてくれた。

2週間朝夜に消毒、6週間は同じピアスをつけ続ける。

1年間はオールチタンのピアスで。

画像5

フランスでは赤ちゃんの時に

耳に穴を開ける人も多く、娘の友達も

ほとんどがピアスをしている。

彼女も一時はしたいしたいと言っていたが

ママの失敗談も散々聞かされて

今はしたくないと言っている。

だってあなた達は何もしなくても

こんなにキラキラ輝いているんだからいいじゃない

ママにはキラキラが減ってきたから

ピアスが必要なの、

と言うと

あーなるほど、と納得している。笑


私のピアスデビューは18歳だった。

気分は変わらないのに

とっくに倍以上生きてるんだなあ。。

白髪が出始め

手が骨張って

細かい字が見づらくなって焦る。

でも

あの時できなかったいろいろなことが

今、少しだけできるようになった。

45歳の耳たぶには

チタンの地味なピアスが

鏡を見るたびにきらりと光って

私を応援してくれる。













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?