その日がくるまで
『余命10年』を観てきました。
実をいうと"余命もの"は苦手で
これまでほとんど
観てこなかったんです。
結末わかってるじゃないですか。
絶対泣かせにくるし。
でも観てみようと思ったのは
藤井監督の映像が好きなのと
監督がインタビューで
「ただの余命ものにはしたくなかった」
と話されていたのと
岡田惠和さんが
脚本に関わられていたのと、
『おかえりモネ』の菅波先生で
好きになった坂口健太郎さんが
出ておられるからでした。
今、観終わってぼーっとしてます。
泣くのは泣いたんですよ。
それも目いっぱい(笑)
でも、嫌じゃないんです。
「泣かされた」感がない。
生き抜いた茉莉に
とても清々しく、
温かくて愛おしいものを
手渡された感じ。
「あなたにもあるよ」と。
🌱
私にとって
涙が溢れるのは
いつも「そこにある」日常で。
もちろん家族や友人、恋人との
哀しい場面でも涙は出るし
切なくはなるのだけれど
茉莉と和人が目を見合わせて笑う、
その瞬間が愛おしくて。
🌱
余命を知って
生きることをどこかで
呪っていた茉莉は
和人と触れ合うことで
時間が大切になった。
子犬のようにか弱くて
儚さを纏っていた和人は
茉莉と出会って
生きる強さを身につけた。
茉莉が自らの運命に
身を固くするのを
ふっと和らげ、
笑顔を呼ぶのはいつも
和人のありのままの素直さだ。
🌱
小松菜奈さんの凛とした佇まいと
坂口健太郎さんの柔らかな包容力。
この2つをベースに
茉莉と和人、
そして周囲の大切な人々が重なって
びっくりするくらいリアルに
「生きていること」が
伝わってきました。
茉莉の10年。
震えたなぁ。
まだ、心のどこかが震えてる。
🌱
観て良かったです。
消化しきれてなくて
語りたいことも後からいっぱい
湧き出てくるだろうけど、
とりあえず。
この映画を届けて下さった
キャスト&スタッフの皆さん、
そして小坂流加さんと
そのご家族に
心からの感謝と、誓いを。
私も、その日がくるまで
生きていきます。
このタイミングで
出会えて良かった。
本当にありがとうございました。
<追伸>
劇伴の音楽も
素晴らしかったです!
茉莉の大切な10年に
流れるような
透明感を感じられたのは
音楽の存在が大きいです。
(映像は言わずもがな)