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マスクより必要な人の笑顔

徳島新聞 読者の手紙 2022/06/25掲載

 久しぶりに口紅を新調した。日本でもやっとマスク緩和の動きが見え始めた。目元だけ気にする生活がすっかり定着し、化粧も短時間で済ませていたが、新しい口紅を使って思いきり化粧を楽しんだ。紅を差す指にも力が入り、久々の感覚に戸惑い長時間鏡とにらめっこしてしまった。
 マスクを外すことに勇気が必要と感じてしまうほど、マスク生活に慣れてしまっていて、口元を見せることが恥ずかしい気持ちにもなる。いざ公園へ出掛けると、幸せそうな笑顔がたくさんあった。
 子どもたちも、何にも阻害されることなく笑い声をあげ、全力で駆け回っている。久しぶりにたくさんの人の笑顔を見て、うれしさや喜びの感情があふれ幸福感に包まれた。人の笑顔が人を幸せにすることを改めて痛感させられた。今は、この幸福が一時的なもので終わってほしくないと強く願っている。
 今後は一律にマスクを着用することを求めず、マスク着用、未着用も全ての人に選択する自由があり、どちらの考え方も尊重される社会であってほしいと思う。
 コロナ禍で、どこか暗くふさぎ込みがちな世の中になってしまった。こんなご時世だからこそ、本当に必要なのはマスクではなく「人の笑顔」ではないだろうか。

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