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統一地方選挙2023が終わり、考えたこと

お疲れさまでした!

統一地方選挙が終わりました。
今回、「ジェンダーを考えるひろしま県民有志」としてジェンダー政策アンケートの実施や、立候補している友人の応援、その他選挙報道や他県の状況を見聞きして、フェミニストの視点から考えたことを書き留めておきます。

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女性候補者を押し上げる活動が増えたこと、性別非公表の方の当選など、ひと昔前には考えられなかった興味深い動きが政治の中で生まれている。
私自身は、これまで一票を投じることのみであった選挙に「政策アンケート実施」「(ほんの少しではあるが)友人の選挙応援」で関わることができた。

関わって、見て、聞いて…浮かび上がる現状と課題

全ての立候補者が当選のために努力する中、出身地であるとか、様々な要素によって地盤が固いとか、〇〇がバックにいる等、候補者とは別の影響力がその結果を左右している(もしくは左右しかねない)のが今の選挙である。
候補者の資質や主張を知って選択する選挙の在り方が本来であってほしいが、現状はそうもいかない。
その上、支援者のイデオロギー(もはやそれは候補者から離れてしまっていることもある)同士がぶつかって代理戦争までしている。
もっと酷いのは、すっかり選対が「群れ」となって、他の陣営のちょっとした行いも脅威になりかねないと、1㎜の不安を何倍にも膨らまして妨害をする。
投票する以外で関わらない有権者はただただ、そのぶつかり合いの傍観者にさせられてしまう。
つまり、日本の選挙が当選するため「だけ」の選挙、当選させるため「だけ」の選挙になっている状況が多く見受けられ、政治そのものをつまらないものにしてしまっていることがよくわかる。
こんな小競り合いを繰り返していては、面白い選挙には程遠い。
選挙はきれいごとを言っているほど甘くないとも聞く。それが選挙なのだと言われて、投票行動以外では関わりたくない人が増えるのは自然だろう。有権者の半分は投票すらしない。

とはいえ、私には社会活動をする上で、選挙の現状や構造を変えるために出来ることを考え、実践する責任が伴っている。「今はそうなっているのだから我慢しろ」を受け入れることはできないが、変える為のアイデアを模索しなければならない。
投票する以外で選挙に関わった人たちと、まずその意識を共有したい。喧嘩している場合じゃないぞ、と。

議員として働いている女性たちへ

現状の選挙を乗り越えて今議員として "まっとうに" 働いている女性たちを、私は尊敬している。もちろん市民として監視もするが、当然ながら同じ人間として傷付けられることがあってはならず、フェミニストとして彼女らの人権が守られているかを見ていかなければならない。わざわざこれを書くのは、女性議員が「女性」「議員」という立場であることで攻撃されている現状があるからで、日本の政治の今をよく表している。
※補足:攻撃する人たちの大半が男性によるものであることを前提に書いているが、もちろん女性からの攻撃もある。しかし、それは男女不平等な社会の構造によって起こる同性への"ねたみ"(ルサンチマンも含むと思うが結論出せず)などが大いに関係していると考えるが、これについての細かい説明はここではしない。表出する攻撃は同じでも、男女で攻撃に至るまでの思考の流れは違う(補足終わり)。
しかしながら、女性もまた内面化された女性らしさや女性的な動きを進んでするなど、あるグループや団体の中で固定化した女性というバイアスそのものから逸脱できていない状態が見て取れた。グループや団体内のヒエラルキーも影響し、内部の規律を乱す者へのお節介や迷惑行為、酷くなれば攻撃に繋がっていくことがある。
これはもちろん今回の選挙に限らないあらゆる活動において起こっていることで、私自身も以前ある活動の中でそういった行為を受けて精神を病んだ経験がある。攻撃が女性に向かいやすいのは、女性自身が女性を弱者と認めており、弱者は説き伏せられやすいと思っているからだろう。男女不平等の社会があるという避けられない事実の中でフェミニストやフェミニズムに関心のある女性たちもまた、自らが虐げやすい相手を見つけて攻撃してきた(している)可能性があるということを痛みをもって受け入れなければならない。

政治と切り離せないジェンダー問題の改善に向けて

選挙の話からなぜ女性の話に、と思われるかもしれないが、日本の政治はジェンダーの問題を抜きに語ることは絶対に出来ないからだ。日本の政治が男性による政治となってしまっている以上、女性がひとまとまりになって様々な方法でカウンターを打っていく必要がある。そういう運動を助けてくれるのは本来はフェミニズムや女性学であるはずなのだが...。
人々から考える力を奪っていくことに成功している日本政府が女性の分断を生み出しながら男性による男性のための社会の安寧を築いていく中で、その社会が日本をどんどん弱体化させている(ナショナリストたちはこのことを問題だと思っていないのだろうか、そこが不思議である)。男性のための社会にNOを突きつけるのは女性だけの仕事じゃないが、シスターフッドが今こそ必要だと思える時代に来ていると私は思う。

みなさま、この度の選挙、本当にお疲れ様でした。


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