牧村英里子

コンサートピアニスト、ステージパフォーマー、舞台演出、神戸新聞でコラム連載中、年間約地…

牧村英里子

コンサートピアニスト、ステージパフォーマー、舞台演出、神戸新聞でコラム連載中、年間約地球7週分の公演旅行記を過去記事を遡り公開していきます。

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最近の記事

【ピアニストエリコの日常 ⑥ バルセロナ・バルセロナ〜千夜一夜の6ユーロ〜】

【ピアニストの日常 ⑥】2014年7月20日の記 突然だが、1泊12ユーロ(約1,500円)の宿に宿泊された経験はお有りだろうか。 (スパニッシュ・ナイトドレスでボーズがポーズ) 年間約60回の旅に出ていたドイツでの芸大留学生時代のこと。持ち帰ったスーツケースを、前もって楽譜やドレスを詰めておいた新しいスーツケースに取り替えに帰宅して、そのまま空港に引き返すような生活だった。 国際コンクールに挑戦する際、本選まで進めば交通費や宿泊費が支給されるが、一次予選であえなく落

    • 【ピアニストエリコの日常 ⑤ そして私はベルリンで黄金の仏像になった】

      【エリコの日常 ⑤】 2014年7月9日の記 「そして私はベルリンで黄金の仏像になった」 (私のベルリン時代: 2002〜2009年) 思い起こせばベルリン時代の特に前半、私はそれと気づかぬ間にLGBTQカルチャーの中へどっぷり浸かっていた。伝説的なバーやクラブが無数にあり、ゲイバーのママたちには大層可愛がってもらった。マッチョなにいさんたちとバスケットを持って森へピクニックに出かけたし、ドラァグクィーンの仲間とも、よくカルトな映画を観に行ったりした。 (photo

      • 【ピアニストエリコの日常 ④ 名医との邂逅再び。これは恋なのか】

        【エリコの日常 ④】 2014年6月20日の記 「名医との邂逅再び。これが恋なのか」 例の、カメムシを噛み潰したように不機嫌で有名な皮膚科医 (名医) の元へ、先日受けたアレルギー検査の報告を受けるために再度出かけて行った。 参照「名医との邂逅」: https://note.com/eriko_makimura/n/n18fad8fe99ab?fbclid=IwAR00h9LavnlYXJGzsoO4tMwW_gr0v7xieLQVCrFV0Pt06Yx2JXmNV

        • 【ピアニストエリコの日常 ③ ピアノの蓋を開けたら「ラ」と「ミ」が無かった件】

          「エリコの日常 ③」 2014年6月16日の記 「ピアノの蓋を開けたら『ラ』と『ミ』が無かった件」 振り返れば演奏家生活も随分と長くなった。強行軍のスケジュールで辛いこともあったが、楽天的要素を多分に有した我が記憶は都合よく風化され、過去は壮大なオーロラに照らされたが如くキラキラと光芒を放っている。 今日も或る美しい旅について思い出した。 ポーランドツアー中のこと。まちの名前を失念してしまったが、私たちは緑溢れるその地で室内楽のリサイタルを弾く予定だった。 会場は、

        【ピアニストエリコの日常 ⑥ バルセロナ・バルセロナ〜千夜一夜の6ユーロ〜】

        • 【ピアニストエリコの日常 ⑤ そして私はベルリンで黄金の仏像になった】

        • 【ピアニストエリコの日常 ④ 名医との邂逅再び。これは恋なのか】

        • 【ピアニストエリコの日常 ③ ピアノの蓋を開けたら「ラ」と「ミ」が無かった件】

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        • 音楽家の日常
          6本

        記事

          【ピアニストエリコの日常 ② 祟られた椅子(複数形)】

          2014年より旅の間に間に書き連ねていた気儘な徒然記が、気づけば100に迫る数となりましたので、note にてアップしていきたいと思います。 【エリコの日常 ②】 2014年6月14日の記 「祟られた椅子(複数形)」 ベルリンからマドリッド経由でポルトガルの首都リスボンへと演奏旅行に出た時のこと。今はなきベルリン・テーゲル空港のカウンターで同僚のチェリストとともにチェックインした。 チェリストとの旅、特に飛行機での移動はなかなか大変である。チェロのために航空券を一席分

          【ピアニストエリコの日常 ② 祟られた椅子(複数形)】

          【ピアニストエリコの日常 ① 名医との邂逅】

          2014年よりFacebookにて旅の間に間に書き連ねていた気儘な徒然記が、気づけば100に迫る数となりましたので、note の方にアップしていきたいと思います。 【エリコの日常 ①】 2014年6月12日の記 「名医との邂逅」 海外公演から帰国した。何が原因か、両腕に蕁麻疹が出て、かなりの痒みを覚える。 日本にいる間にアレルギー検査をしておこうと、皮膚科へ行くことにした。腕は確かと評判のお医者さんだが、無愛想なことでも有名だそうで、診察室で殆ど喋ってくれないという。

          【ピアニストエリコの日常 ① 名医との邂逅】