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【クルーの生活 2】カーニバルクルーズ ~ゲストサービス

ハロー。クルーズ客船でクルーとして働くEriです。

今回は、アメリカ最大のクルーズ会社、カーニバルで働いたときの仕事内容などについてです。

ゲストサービスという部署で、要はフロントデスクとか、レセプションデスクですね、船やホテルによって言い方が違いますが、基本の業務は同じです。

カーニバルではゲストサービスと呼んでいましたが、ここではフロントデスクと呼んでいきます。

業務内容を説明する前に、この部署で働くてために必要なスキルをお伝えします。

必要なスキルは色々ありますが、特に大事なのはこの3つ

フロントデスクで働くために必要なスキル3つ

● ビジネスレベルの英語力
● コミュニケーション力
● キャッシャー業務経験者

● ビジネスレベルの英語力
以前、違う会社の船のエンターテイメント部門で働いた経験をお話しましたが、そこでは日常会話レベルの英語力で問題ありませんでした。


ただ、フロントデスクだとそうはいきません。

ゲストの要望は様々ですし、クレーム対応をする場合もあるので、ある程度の英語が話せないといけません。

● コミュニケーション力
重要です。チームプレイヤーであることも重要ですが、コミュニケーション力が高い人は、個人プレーをしたりしないと思うので、チームワークではなく、コミュニケーション力としました。

ゲストサービスはゲストと対話が多いことはもちろんのこと、他の部署とのやり取りもとても多いです。コミュ力が高いと、他の部署にパイプもできて、仕事がしやすくなります。

● キャッシャー業務経験者
キャッシャー業務未経験でも働くことは可能ですが、経験者の方が優遇されますし、自分が仕事をしていく上でも楽です。

しかも、外国客船なので、もちろん全て英語ですし、システムも覚えなければならない、Side Dutyといって、デスクに立ってる時間外にやる仕事も多いので、ここで更にキャッシャー業務を覚えるとなると、正直大変だと思います。そして、銀行ほど厳しくはなくともミスは出せません。

なぜならフロントデスクでは、各自が$5000~$10000ほどの現金をチーフアカウンタントからもらい、管理しなければいけません。

各シフトのあとには現金を数え、ミスがないかを確認し、1日の終わりにはリポートも提出します。ミスがあった場合は即効で報告!時間がたつほど大問題になります。

そしてマイナスが出てしまって、その原因が突き止められず、その金額がどこからも回収できなかった場合は自腹で支払います。

わたしは最大$200損失を出したことがあります。

ま、これだけじゃなく、今思えば笑える(当時は笑えない)ミスは他にもしてますので、今度ミスをまとめた記事でも書こうかと思います(笑)

あと、基本扱うのはUSDなんですが、25セント硬貨とか日本にないですよね、だから、慣れるまで、少し戸惑うかもしれません。


さて、業務内容なんですが、結構多いです。なので、何個か抜粋して説明します。ちなみに、これらをSide Dutyと呼び、クルーズ事にすべてのSideDutyが順番に回ってきます。

1.Lost & Found

忘れ物ですね。船の忘れ物は全てゲストサービスで預かります。
ゲストが下船したあとに、部屋に置いて行かれた忘れ物もゲストサービスの管轄。これが異常にめんどくさく、かつ重要なので手が抜けない仕事です。

お部屋で忘れたものは全て保管しますが、公共のエリアで見つかった、例えば靴下一足とかはさすがに捨てますが、スマホやカメラなどはちゃんとログに残します。

スタッフはこういうもの盗むと思いますか?盗みません。バレると速攻クビですから。多くの国の人々は出稼ぎに来てるので、カメラ1台で仕事を失うようなことはしません。

2.Lost Luggage

忘れ物以上に、1番やりたくないSideDutyです。クルーズ客船に乗船する際、ほどんどの場合は飛行機で目的の港まで行きますが、その際に航空会社に荷物を紛失されたケースですね、

ほとんどのゲストは航空会社のカウンターで、Lost Luggageの手続きをします。荷物がどこにあるのか確認できるのにも時間はかかりますし、分かったところで、船の出向時刻に間に合わないことが多いので、荷物なしでの乗船となります。

その後、船のフロントデスクにて、Lost Luggageのことをフロントデスクに報告し、そのSideDutyの人がエアラインに電話して荷物がどこにあるのか、この先の航路を教えて、どの港で受け取れるかを全部やるんですね。

知ってます?やっとことあります?電話繋がらないし、めちゃめちゃ待たされる地獄のSideDutyなんです。Lost Luggageがなかったらラッキーですが、いくつかあった日なんてエクストラワークです。かなりの。

しかも私たちのミスじゃないのに、イヤなゲストはわたしたちに怒りをぶつけます。(本当に謎)

3.パーティーの招待状

パーティーの招待状の作成 です。2回目以降のゲストを対象にしたパーティーが毎クルーズあるので、リポートを出して、プリンターにプリントしてもらって、パーティーの1日~2日前にお部屋に届けます(ハウスキーピング)

4.ナイトシフト

夜働くシフトで、時間は深夜12時~翌朝7時か8時でした。これは2週間おき交代で、フロントデスクのスタッフで回します。

基本的に夜勤の時に問題があると、ある程度のことは自分で解決しなければならないので、これは慣れてからアサインされます。

夜間に、チームが出したレポートを全部チェックして、お金のやり取りにミスがないかダブルチェックします。

金額が合わないとどこにミスがあるのかを探すのに時間を取られますが、慣れると早めに終わらして映画とか見る余裕も出てきますが、酔っぱらったわかものがルームキーを忘れたと必ず来るので、ゆっくりはできませんが。あとはルームサービスを頼めるのも嬉しかったですね。

ただ、緊急の電話が鳴ったりするかもしれないので、基本オフィスを離れることはできず、トイレにいくときはセキュリティスタッフを呼ばないといけません。

あと細かいレターの作成など、まだまだSideDutyの数は半端じゃありませんが、Side Dutyについてはこの辺で。

あとカーニバルで毎日やる業務にICareがあります。

I Care 私はあなたを気遣います的なね。

フロントデスクスタッフが1番嫌いなやつです。

なぜ?

そう、これはコンプレインをもらったときに使うシステムなのです。

カーニバルでは独自のシステムIcareというものがあり、些細なコンプレインでもここで共有します。なにがイヤかって、このシステムが使いにくいんですよ。分かりやすく言うと、戻るボタンがなくて、間違えて選択すると、戻れないから最初からやり直してきな。

今は改良されてるといいな~。

しかもカーニバルのフロントデスクはいつも長蛇の列。このIcareをあとで開こうなんて思うと、溜まりにたまって残業です。だからといって、フロントデスクでIcareを開いてると時間がかなり取られるし、、、難しいです。

友人はIcare、i don't care って言ってましたね。本当にそんな感じ。

だってコンプレイン日常茶飯事なんだもん、、、


カーニバルのフロントデスクではツアーの販売もしてましたね。

基本的にツアーデスクがあるんですが、フロントデスクのように24時間空いてません。なので、ツアーデスクが閉まってる間は、フロントデスクでもツアーも申し込めます。

でもツアーの知識もそんなにないのですが、、、

というわけで、いつもフロントデスクはツアー販売もしてくれてるし、ツアーにいって、知識も広げて欲しい!ということで、カーニバルのフロントデスクスタッフはツアーに無料で参加できました。(ツアーや人数にもよりきりなので、毎回ではないですが)

カーニバルクルーズはめちゃくちゃ働く、でも楽しい!

今まで3社、クルーズ客船で働きましたが、カーニバルが1番働きました。

仕事のタスクもたくさんありました。デスクで働く以外にも、Side Dutyがたくさんあったので、デスクで8時間くらい働く+バックオフィスでもやること沢山でした。

とはいえ、正直カーニバルクルーズはアメリカ大手のクルーズ客船。

ここが基本だと思ってOK。探せばもっとひどい環境もあるでしょうし、もっと良いところだってもちろんあります。

ただ、平均的に、クルーは陸の仕事よりも働くので、まぁクルーズ客船業界では普通でしょう。

ま、そんな鬼のように働いたカーニバルですが、大きなメリットありますよ~。カーニバルの良いところは、このゲストサービスというポジションが1ストライプあって、オフィサーだっということ!

※これについては別の記事の、「クルーズ客船で働く7つのメリットと階級制度」に詳しく書いてあります。


船は階級制度で、ストライプがあるとオフィサーといって、かなり優遇した生活を送れます。それが、うん、仕事面で唯一のカーニバルの良いところだったかもしれません。

あとはお客さんにとってもパーティーシップですが、カーニバルはクルーにとってもパーティーシップだったので、そこはめちゃくちゃたのしかったです。

人生で1番働いて、1番遊びましたね。最高!

初めてでも安心プログラム

カーニバルのフロントデスクで働くときには、カーニバルカレッジがある。

いわゆる新人教育プログラムみたいな感じで、わたしのときは、カーニバルファンタジーっていう、小さいボロボロの船がそれでした。

これは通常4週間(人が足りない時には2週間になります)のプログラムで、最初の2週間は座学、後半は実際にフロントデスクに立って覚えるというものでした。

わたしの時は、カーニバルファンタジーという、小さめの古い船で行っていました、もちろんお客さんは普通にいます。

卒業時に、自分がアサインされる船を発表され、みんなバラバラの船に旅立ちます。

そして卒業式があり、晴れて1本線のストライプを肩につけ、卒業!です。ただ、わたしが働いてる屠龍に、2.0プログラムといって、ユニフォームが新調され、2.0が導入されていない船では白いユニフォームでしたが、どんどんスーツスタイルのユニフォームに変更されていたので、もうフロントデスクで白いユニフォームを着てる人は、ゲストサービスマネージャーとアシスタントマネージャーしかいないかもしれませんが。

まとめ

というわけで、今回はカーニバルクルーズ客船のフロントデスクの仕事についてでした。

初めてクルーズ客船で働くには本当にぴったりですよ。

上記にあるように、学校のプログラムがあるので、安心!

忙しいけど、充実します!

今回の内容は、当時の写真&ビデオ付きで動画になってるので、文字ではイメージが湧かないなってときは、ぜひこちらも合わせてみてください。

クルーズ客船の仕事・生活はかなり独特なので、それでもイメージできないこともあるかもしれませんが、面白い世界ですよ!

私について ‐ABOUT ME


海外留学を経て、外国籍のクルーズ客船のクルーとして7年間勤務しています。趣味は海外旅行。
海外やクルーズ客船で働きたい、旅行が大好きという方向けに情報を発信していきます。

ご質問などがあれば気軽にコメントください。









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