Nîşan 婚約披露式@Gever
Serdarの弟SedatのNîşan(婚約披露式)。ベッドの上のお父さんの髪と髭もきれいに整えられる。私もJîyanに衣装を借りて身支度する。村のみんながCanan家の庭に集まってくる(というか、全員Cananだ)。
Serdarは家長として、お母さんと一緒に村の年輩の人たちをもてなす。Jîyanと従姉妹数人とでチャイの世話をする。私もチャイ係を手伝う。チャイグラスを下げてキッチンへ向かうとき、お父さんのベッドの側で、お母さんが一人、静かにお父さんの手を握っていた。
「お父さん、髪をきれいに整えてかっこいいですね」と後ろから声をかけると、振り返ったお母さんの悲しげな目は涙でいっぱいだった。
いつもチャーミングな笑顔でお父さんに話しかけているお母さん。お母さんのそんな表情を見たのは初めてで、突然のことに喉の奥がキュッとなる。
心の中でどんな言葉をかけていたんだろう。
列席者が全員揃うと、お父さんのお世話を従姉妹に託し、車に分乗してみんなでGeverへ向かう。会場は新婦の家。
到着すると新婦の家の庭には既に多くの人が集まっていた。まずは両家によって準備されたバクラヴァやクッキーなどがプレートに盛られて一人一人に提供される。このようにNîşanでは食事でなく甘い菓子が出されるのが伝統だ。
それを食べながらしばらくすると、Serdarと従兄弟のApoが歌う”Narînk”(花嫁を迎えにいく際に花婿家族によって歌われる歌の形式)に合わせて、新郎一族が新婦を家から庭へと導く。
次に新郎側から新婦へと贈られる金(ゴールド)のアクセサリーを一つ一つ紹介しながら新婦へ装着していく。Dawet(結婚式)でもこの儀式があるが、Nîşanでも行われるようだ。
それが終わるとGovend(踊り)の時間。”Se pê”という形式で20分ほど踊ると会は終了。永遠に踊り続けるDawetに対して、Nîşanはさっくりと1時間半ほどで終わる。
新郎側は退場。また車に分乗して村へと帰る。帰るとまたチャイの時間だ。Nîşanのために用意されたスピーカーから音楽を流し、みんなが踊り出す。いつも音楽と踊りがある。
そうしてまた数時間過ごし、それぞれ家に帰り、我々も夕食をとる。
お腹がいっぱいになり「疲れた〜眠い〜」など言ってキッチンでダラっとしていると、夕食を終えたいとこたちがまた遊びにくる。そうしてまた庭でチャイの時間が始まる。
夜はかなり冷え込むので、みんなブランケットにくるまって「寒い寒い」と言いながらも夜中1時過ぎまでおしゃべりが続いた。
めちゃくちゃ疲れた!
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