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11月5日の私へ

8歳の私へ
今頃は手術室にいるのでしょうか?明日起きたら、お腹に何か管が入っていて、酸素マスクをしています。外国を映すニュースが目に入ります。この後1か月程入院して、日常に戻ります。

23歳くらいの私へ
今頃はエキストラで撮影してます。女子高生の役で、現役時代とは程遠いミニスカを履いて都会の女子高生を楽しんでいますが、ちゃんと着替えて帰ってね。怖い思いをするのは自分だから。

今日の私へ
ゆっくり朝寝坊して、コーヒーいれて、服の整理して、前髪切ってもらって、美味しいカフェを見つけて、先週行けなかったレッスンに行けて、難しかったけど楽しかったね。最近忙しくて、忙しいって本当に心を亡くすって書くんだなって思うこともあったけど、今日生きててよかったね。

11月5日。
盲腸と腹膜炎を併発して救急車で大きな病院に運ばれて緊急手術をした日。

深夜に自宅前で痴漢に遭った日。

何かしらある日。生きていることについて考える日。

多分強くないから、今の環境から逃げ出したいって何度も思ったし、穴があったら入りたかったこともたくさんあるし、大切な場所や人が増えるたびに怖くなってきたし、これからもずっとそうなんだろうけど、今日を迎える度にもう少し頑張ってみようと誓います。

8歳の11月6日、目覚めたときに隣にいたりょうたくんは数年後に先にお空に行きました。同じ学校に行ってた2学年上のみほちゃんは、すごく私が手術したことを気にかけてくれて、そんなみほちゃんは片腕を無くしても明るく元気だったのに、ある日いなくなりました。なんで愛される人が先にいなくなって、私は存在しているのか、何度も思いました。

気に入っていた家が急に怖い場所になって、更新のタイミングで引っ越した場所は生まれてから2番目に長く住んだ場所になりました。あの時相談してなかったら私は何処に今いるのでしょう。仕事もただのバイト止まりだったかもしれません。

全て私の歴史に刻まれて生きている、今日。

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