1年後の4月に思うこと
好きなことをしながら、アルバイトという位置ながら充分すぎる仕事と身の丈に合ったお給料をいただき、足りないものといえば浮いた話くらい笑、自分のことを完璧とは思わないけど、そこそこ運もよく恵まれた生活をしていた。
1年前の4月7日、突然、翌日から仕事が休みになるという報告を受けた。緊急事態宣言による店舗休業、しかも、駅ビルのテナントだったため、他店より1日早い休業。ぽかんとはこういうことだと味わった。写真は、その気持ちのまま歩いて帰った際に見たよく見ていた職場付近の桜。この日から1か月半、仕事は休みになった。
時を遡ること2週間前。
大切な方々が関係する舞台のスタッフをした。お客様を誘導する仕事はよく手伝っていたが、そこに検温と消毒が加わったのは初めてだった。丁度その週末から東京都の自粛要請が出て、店舗は土日休業(これも前年の大型台風に続き初体験)、なくなったシフトの分雪の中お手伝いをした。千穐楽の日、夜遅くに一人で帰る途中、突然怖くなった。翌日、志村けんさんが亡くなった。ここから2週間、生きた心地がしなかった。だから、翌日の土日休業も、2週間を待たずして突然店舗休業したこともどこかで安心してたのかもしれない。
休業中は、ただステイホームしていればよかったし、充分すぎる福利厚生も受けた。恵まれている方だった。
そんな私ですら、3月に入ってから心がずっとサワサワしている。いや、この1年、常に不安と隣り合わせですっかり気持ちが引きこもることが増えてしまった。やることはやっているし、後悔なく生きているけど、今までのガツガツした気持ちはほんの少しになってそれがいいのかよくないのかすらわからない。
今年は、無事に4月7日を超え、8日からも働いてレッスンに行って踊れるのだろうか。7日も8日も予定はわくわくするものとして存在しているが、どうしても手放しで喜べない。
1年経ち、皆マスクはしているものの、街には人が溢れていて、まるで去年などなかったように感じる毎日にドキドキしてしまう。みんなは、平気なのだろうか。かく言う私も、電車で職場に行き、レッスンに行っているし、カフェに行ったりするから何も言えない。
とにかく、4月が日常でありますようにと願う。