見出し画像

MICINの退職エントリとオンライン診療・薬局DXについて考えること

既に本業はREADYFORに軸足を移し、早いもので半年が経ちました。
なので、今更退職エントリ?という感もあるのですが、2022年12月で業務委託も含めMICINとの関わりはなくなることになったのと、しかも年末年始休暇がある。これは今こそ書きどきじゃね?と思いまして、書いてみることにしました。

良いときも悪いときもたくさんの時間をともにしてきたMICINでやったことや感じたことなど、どんどん忘れていきそうな気がするので、もはや自分の備忘録的につらつらと書いていきたいと思います。
たぶん、MICINに限らずオンライン診療に関わっていた人は、「あー、それなw」って思っていただけることが多いんじゃないかと思います。

基本ゆるいですが、一番最後のトピックだけは、真面目な内容です。w

#2017.2-2018.1

社員番号1桁台、ビジネスサイドとしてはかなり初期の時期に入社しまして、
・オンライン診療の事業立ち上げ周りもろもろ(コールもかけるし、セールスもやるし、カスタマーサクセスもやるし、カスタマーサポートもやるし、マーケもやるw)
・採用とか広報とか一部バックオフィス系も
やれることは何でもやるよね?スタンスでとにかく走り続けてた1年。

最初、オフィスも崩れそうなマンション(ごめんなさい)のワンルームみたいな部屋でした。部室臭と汚いトイレが象徴だったんですけども、今のMICINのオフィスからすると考えられないですね。エレベーターの無いビルの4階で、一度出張前のトランクを運んだときに大後悔した記憶があります。笑
(勿論、入社したことではなく、コインロッカーに預けなかった後悔です)

  • 思い出に残っていること1:オフサイト合宿の企画・運営とか、新しい仲間を増やすための採用とか
    人事・採用っぽいことも最初はやってたんです。
    「この会社頭がいい人が多すぎて、真面目な議論三昧の日常だから、いっそ振り切ってみんなで遊べるコンテンツメインにしよう」と思ってスポッチャにいったりしました。翌年からはもっと真面目なオフサイトに変わってたので、不評だったのかもしれませんw
    書類選考とか採用面接とかも片手間ですがやってました。この1つ前の仕事(人材紹介)に感謝しかないです。

  • 思い出に残っていること2:たくさんのクリニックさんとの出会い
    ガチで新規開拓の営業しに行ってました。塩対応なクリニックさんが大半な中で、今でも個人的にご縁が続いている医療機関さんとの出会いは、この時期が一番多いんじゃないかと思います。
    そういえば、一番最初の医療機関訪問は、MICIN側の不手際でかなりご迷惑をおかけし怒らせてしまった先生に、とりあえず経緯と事情をキャッチアップして謝罪しにいった案件でした。お土産に落花生をいただき帰路につき、一件落着したのでもはや良い思い出ですw

  • 思い出に残っていること3:たぶんMICIN的には初のテレビ取材
    ベンチャーあるあるなのかわかりませんが、安い固定回線の電話を使っていた故に、電話が今日も不通じゃないか!!、みたいなトラブルが頻繁に起きていたのもこの時期でしてw、このテレビ取材の電話を取り逃がさなくて本当によかったです。
    (クリニックさんのご協力もあり、ゆうがたサテライトさんという番組でオンライン診療とクロンを紹介いただきました)

そんな0→1を楽しむ時期を過ごし、マネジメントも行うことになったわけですが、一番初っ端の仕事がまぁまぁなネガティブ案件の処理対応から開始することになったのは、今となっては良い思い出です。w

#2018.2-2020.1

2018年4月の診療報酬改定内容を見た瞬間の衝撃たるや・・
もともと初期費用無しのサービスなので、逆にニーズ増えるかな?と思ったりもしましたし、まぁ一定導入医療機関数は増えました。
意思決定の背景なども理解はしていますが、ビジネス観点からしたら真綿で首を絞められてるのかな?みたいに思う瞬間が個人的にはありました。
前半1年は事業サイドに関わり、後半1年はパブリックアフェアーズ(政策渉外)の部署の立ち上げに関わっていました。

  • 思い出に残っていること1:公表された白本(しろぼん)を見た瞬間
    ひっさびさに診療報酬の白本を読んだので、その独特な表現・言い回し、点数の概念を思い出すところからのスタートでしたが、よくわかんなくてもすごい制限がついたんだな、ということはわかりました。笑
    明日からこの事業どうするかね?と。
    個人としては、もう広く使われるのはすぐには厳しいから、領域フォーカスして深堀りして事例を積み重ねることを優先したかったわけですが、企業経営全体を考えればそんな悠長に構えることもできず。まぁなんか、色々大変な時期でした。ええ。

  • 思い出に残っていること2:保険局の方や医政局の方との関わり
    もう地道にオンライン診療の規制緩和と向き合わないといけないし、そのためにエビデンスも作らないといけないよね、ということで、スタートアップ1社で出来ることはしれてましたが、リサーチを企画して提案しにいったり。中央社会保険医療協議会総会の資料にその調査結果資料が入ったのは、プチ喜びでした。

  • 思い出に残っていること3:パートナー企業さんの拡大
    点数はさておき、診療報酬の中にオンライン診療が入ったということ自体はエポックメイキングであったのもまた事実。ということで、医療業界で事業を提供されている色んな企業さんにも、オンライン診療とクロンをまずは認知してもらいたくて、草の根活動的に色んな企業さんとお話をこの時期していました。

そんな状況だったこともあり、2019年末、2020年頭に退職したメンバーも一定いました。その穴埋めなどもあり、事業側からは少し離れたところで広報とパブリックアフェアーズをメインでやることに。

#2020.2-2021.6

そしてついにこの日が来るわけです。2020年2月28日。世の中的にはCOVID-19の流行に戦々恐々としていた時期ですし、個人としては大変な事態になったな・・と思ってましたが、もうオンライン診療事業に関わる身としては、このあたりから3ヶ月くらいでしょうか?毎日アドレナリン出まくりで、こんなに仕事が楽しい時期はもう後にも先にも無いんじゃないか?と思う時期を過ごさせてもらいました。
(とはいえ、事業に関わる多くの社員が負荷の高さにつぶれかけていたのも事実だったので、超楽しかった、と声高に言っていいのかもわかりませんが。でも楽しかった。)

  • 思い出に残っていること1:厚労省の事務連絡を見据えた仕込み
    COVID-19の流行で、オンライン診療の規制緩和がかかりそうという見込みが立ってきたので、そこをめがけてたくさんプレスリリースやらプロダクトリリースやらを、まさに全社一丸でやったのがこの時期。
    https://micin.jp/news/1803
    https://micin.jp/news/1827
    このときのスピード感はマジですごかった。

  • 思い出に残っていること2:たくさんのメディア取材対応
    まさかの2020年初、MICINの広報担当者が退職して不在になるという事態。からの、オンライン診療の取材ニーズが爆増するという事態。こんなこと重なります??ww
    他の仕事兼務で広報1人で回していたわけですが、オンライン診療の取材って、患者さん側と医療機関側と薬局側の3箇所取材することが多くて、物理的に体の数が足りないという状況でしたw
    (よく、多田が5人いる、とかMICINで言われてましたが、いないことを一番実感したのがこのとき)

  • 思い出に残っていること3:薬局向け事業の立ち上げ
    医療機関からの問い合わせは特に0410通知の前後で爆増、対応がパンクするほどでしたが、同時に薬局さんの方もオンライン服薬指導を提供する準備をしておきたい、というニーズが急増。一気にプロダクトを作って、事業を立ち上げていきました。競合の動きのヨミの甘さなどは反省もありつつ、何とかかんとか薬局さんにもクロンを認知していただけるようになったかなという感じです。プロダクト側とかなり密に組んで、クライアントニーズや制度動向を適切にプロダクトに反映していく、ということに取り組めたのも良き思い出です。ものづくりは楽しい。

幸い、広報・パブリックアフェアーズ共に新しい方もジョインしてくれまして、また事業サイドメインに戻ることになります。

#2021.7-2022.5

COVID-19も落ち着きはしませんが、少しずつ病院と開業医さんの連携もでき、治療薬も見えてきて、ワクチンも普及して、診療報酬・補助金もついてきて。何か事業的にも良くも悪くも安定してきた感があったのがこの時期でしたね。

  • 思い出に残っていること1:餅は餅屋なチーム作り
    個人個人の得意・不得意みたいなところと向き合い、どこに誰を最適配置するとよいか、ということにわりと真剣に向き合っていたと思います。
    そのためにも、今チーム全体のゴールがどこで、それに向けてこのQuaterで何をすればそこにいけるんだっけ?という道標的なものを作っていた1年だった気がします。

  • 思い出に残っていること2:COVID-19の流行拡大とシンクロするオンライン診療患者数
    オンライン診療を利用される患者数は確実に増えました。それは間違いないです。ただ、オンライン診療をルーティーン的に提供する医療機関があたりまえになる、みたいなラインには来ていないですし、積極的に医療機関がフィットする患者に紹介するのが当たり前、みたいなところにも来ていない。そこの壁はなかなかの厚さです。
    (かと思えば、結構無謀な自費診療にオンライン診療を組み合わせる企業・医療機関なども増えてきており、個人的にはここは超懸念してます)

  • 思い出に残っていること3:医科・調剤報酬改定両方へのキャッチアップ
    2年に1回の診療報酬を3回MICIN在籍時に経験したわけですが、2018年・2020年と異なり、薬局さんもクライアントになったことで、カバーせねばならぬ領域がかなり増えました。しかも、2022年は薬局側の報酬改定がかなり多かった・・診療報酬改定関連は医科・調剤ともにニーズもあるので、厚労省が出した骨子資料をひたすら読んでプレゼン資料にまとめて、セミナーも実施してました。2年に1回これを少人数で回すのはヘビーだなと思いつつ、個人的には好きなお仕事です。笑

というMICINの仕事の傍らで、2021年12月〜2022年2月くらいにかけて粛々と転職活動もしておりました。
退職理由は公開するものでもないので具体には書きません。

ただ、9人しかいなかった組織が150人近い組織になる5年の間に、企業もかなり変わりましたし、働く中で自分も変化し続けているので、ずっと違和感なく同じ方向で変化を共にする、ということは奇跡に近いんじゃないかと思います。無理して企業側の価値観・方向性に自分を寄せることもできるでしょうし、それも考えましたが、レポート用紙3枚分になるくらいは思考を書き出してw、働く場所を変える決意に至りました。

ちなみに写真は、MICIN→READYFORに移るときにほぼ休みを取っていないのですが(取れなかった、というのが正確w)、唯一2日休みを取って出かけた、熱海のMOA美術館から撮った一枚です。

#2022.6-2022.12

まったりと業務委託の立場で関わらせていただいてました。
主に政策動向のキャッチアップと共有メインだったので、READYFORの本業の傍らでちょろちょろと作業しておりました。

オンライン診療・薬局DX領域でこれからやりたいこと

上記から伝わるのかわかりませんが、オンライン診療と薬局のDXというMICINで関わってきた領域には一定想いがあります。しかも、自分的な業界の未来予測から推察するニーズが出るであろう領域で、結局できていないことがまだまだ多いなと。
以下、いずれも個人の考えですので、ツッコミどころも色々あるのではと思いますがご容赦ください。

オンライン診療は個人的には以下のようなフレームで考えていました。

真のオンライン診療ニーズは、どこにあるのか?

外来・在宅というフェーズ 
× 
オンライン診療での診療が対面診療を代替するのか、あるいは、補完するのか
でセグメントを切り、オンライン診療の対象になりそうな患者さんの属性を当てはめている感じです。

現状は左上の「軽微な疾患」が若者ニーズも高いしスマホ親和性も高いから、ということで各企業がメインターゲットにしていると思います。が、ここはスイッチOTCがもっと進めばそれが患者にとってはベストだと思うわけです。そこも見据えて、オンライン診療の可能性が長く続くであろう領域に、きちんとエビデンスベースで答えていくような取り組みができたらなぁというのが、やりたきことです。
(念の為・・PRM=Patient Relation Managementで、ビデオ通話を伴わずPHRやチャット活用での患者フォローアップを想定してます)

薬局の方は、患者の年代と求めている医療ケア度別に以下のようなフレームを考えていました。

患者ニーズ別・薬局に求めること

左下の象限ばかり扱ってきましたが、今度は左上とか右下とかでも何かできないかなぁと思ったりしています。そう思うと、必ずしもデジタルマストじゃないなと。もうちょいリアルな店舗と薬剤師という強みが発揮されるような領域のサポートをしたい気持ちがあります。

本業の傍ら、またこういった事業領域とどっかで交わることができたらいいなぁと思っています。

そんな感じでだいぶ長くなりましたが、濃い5年半を過ごさせていただいたMICINに改めてお礼を伝えると共に、この先の5年の仕事ももっと濃いものにしていけるいよう、2023年の1年もREADYFORなり副業なり、全力投球したいと思います。
引き続き医療業界にコミットされている皆様、色々お話しさせてください!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?