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井上尚弥選手の試合を見て

5/6のGW最終日、夫が「井上尚弥の試合見なきゃ」とAmazonプライムをつけた。話を聞くと井上尚弥の弟の拓真も試合をするそう。セコンド(トレーナー)は二人の父が務めているんだとか。
突然ですがボクシングの話です。笑
へー、よく聞く名前だけど兄弟でそんなに強いの?と軽い気持ちで試合直前の密着番組を一緒に観た。


なんだろう、今までスポーツ選手に心を奪われるようなことは一度もなかったが、井上尚弥選手…そして弟の井上拓真選手、彼らの父の井上真吾さんの爽やかだけど熱くて真っすぐな人柄に一瞬で心を奪われた。
そして試合が始まってからも目が離せなくて、今まで格闘技にまったく興味を持ってこなかった自分がどうしてこんなにボクシングを真剣に見つめているんだろうと不思議だった。

試合の大トリはもちろん井上尚弥選手。弟の拓真選手は2つ目の試合で出てきた。セコンドはお父さん。ラウンドが終わるごとに1分間のインターバル(休憩)があるが、その都度お父さんが出てくる。
お父さんの声はよく響くし、必死さが伝わってくる。この試合で負けてしまったら世界チャンピオンのベルトを奪われてしまうという大事な試合。
「お前、勝ちてぇんだろお」と聞こえてくる。
思いがけず私は涙が出ていた。
ご本人たちにとっては当たり前のことかもしれないが、目の前で我が子が殴られている。それでも絶対に目を背けたりできない。大声でアドバイスをし、励まし応援しダメージ具合を確認する。
親子ってこうだよなぁと感覚的に思った。


最後は井上尚弥選手の試合。
もちろんお父さんがセコンド。尚弥選手は1Rで対戦相手ルイス・ネリからプロ人生初のダウンを奪われる。
まったくボクシング情報を持ち合わせていない私ですら「やばい状況…」というのは分かった。ヒヤヒヤした1Rが終わり、インターバルの映像が映る。お父さんが「いいよ!いいよ!」「大丈夫?大丈夫?」と声をかける。
初ダウンを奪われた息子尚弥選手にまずは「いい感じだよ!」と悪くない動きだと伝えた上で、ダメージはないか問いかける。
この時点で私は涙腺がきてました…
お父さんが心配を前面に出してしまうと本人はパニックになるかもしれないし、まずは自信を取り戻す作業をこのインターバルでさせようとうとしていたのかな、と感心してしまった。
あとはダメージ具合の確認をして2Rからの戦い方をアドバイス。
結果は2R目に相手をダウンさせて6RでTKO勝ちするモンスターでした。


この日の試合を見てから井上親子に魅了されて雑誌や著書を読み漁っている。一番気に入っているのは井上真吾さんの「努力は天才に勝る!」という本。題名からして素晴らしい。
この本を熟読して親としての心構えだったり、子育て論だったりを学ばせてもらっている。心に残っているのが「五・三・二で育てる」という章で、五が普通の会話をする。ボクシングとは関係ないただの親子間の会話をする。三は褒める。箸の持ち方やボクシングの練習中などいいところはしっかり褒める。そして二は叱る。汚い言葉を使うのではなく「それで本当にうまくなるのか?」と自分で考えさせる言葉で叱るのだそう。
結構意外な気がした。叱るのは2割なんだって。8割は親子としてしっかりコミュニケーションというか温かい空間を作るということが大切なのかな、と勉強になる。

熱く書いてしまったけど、どうして私がこんなに井上親子に心をつかまれたのか…それは親子関係の難しさを日々実感しているからである。
子どもがつまづいてしまうこともある、親が間違った対応をしてしまうこともある。何度もリセットボタンを押したくなったことがあるし、私が親じゃなければよかったのかなと思ったこともある。
だけど味方で居続けることくらいしか自分にはできない。うまくできなくても、温かい親子関係を作っていれば何とかなるはずだと信じた。


あんなに大きな結果をだしているスポーツ選手を育てた父親が子育てで「普通に接する」時間を多くとっていた、これにつきるのかなと思う。
褒める育児や叱る育児、受け止める育児やなんだかんだ…
テクニックに走るより、まず普通の会話してますか?っていうのが大事なのではないかな。子どもが小学生だろうが、中学生だろうが、高校生だろうが。学校に行っていようが、行ってなかろうが。
我が家の姉妹はそれぞれ状況は違えど不登校の経験がある。長女に関しては丸4年間、自分のクラスに入ることができなかった。
それでも学校に関係のない話をとにかくした。あえて関係ない話題をたくさん探して会話を増やした。理由はわからないけど、そうすると笑顔が増えたから。きっとその「普通に接する」関係が親子の居心地をよくさせてリラックスするのだろう。


自分の子育てに井上親子を重ねるというとちょっと違うけど、難しい親子関係を上手に築いていって更に大きな結果を親子で掴みに行くチーム井上から目が離せない。
そしてボクシングジムに通いたくなっているアラフォー主婦がここに、、、



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