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第54章 決断の朝

私は妊娠22週3日目に大量出血をしてそのまま入院となった。
入院直後と翌日には医師から厳しい話もたくさん聞いた。
私に出来ること、それは絶対安静をしながら1日・1分・1秒でも長く ベビちゃんがお腹の中にいてくれるようにと祈ることしかなかった。

腕には点滴、トイレも尿に関しては管を入れてある。食事は少し背もたれを起こしてもいいと言う先生の許可はあったが おにぎりにしてもらって寝たまま食べた。

安静にしていれば そして、お腹の張りを感じた時に 深呼吸をしていきむことをしなければ、ベビちゃんを1秒でも長くお腹の中で守ることができる。
守り方がわかっていること、自分でも出来る事があること。
これが、私を強くしたのではないかと思う。

そして、ベビちゃんが22週の壁を3日でも越えてくれたということも大きい。
不妊治療がなかなか上手くいかず、自分の力ではどうすることも出来ない科学的流産を繰り返し、やっと授かった子も守ることができなかった。

それが、今回は22週を越えていたため 流産ではなく 早産の診断。
病院ではベビちゃんを何とか助けようとしてくれている。

子宮の収縮を抑制する点滴が効き始めてくれたおかげで、お腹の張りを感じる間隔があいた。

ベビちゃんの頑張りで1秒過ぎ、1分過ぎ、1時間が過ぎ、1日が過ぎる。

そして23週を迎えることができた。
これで、先生から聞いた救命率は50%から70%に上がった。

ところが23週と1日目の夜、またお腹が張ってしまった。
子宮の収縮を抑える点滴を増やしたが効かない。お腹の中のベビちゃんと頑張って朝を迎えた。
昼間は落ち着いていた。
23週と2日目の夜、またお腹が張った。おしりが押される感覚も出始めた。ベビちゃんが産まれようとしている証拠らしい。

何とか朝まで頑張ろうとベビちゃんに話しかけながら必死に深呼吸で陣痛を逃す。

そして、23週と3日目の朝。
エコーを当てた先生が、
"逆子になってしまって、もう足が出ている”と言った。
続けて"これ以上ベビちゃんがおりてきてしまったら死産の可能性もある”と。

先生方のカンファレンスの結果、

"今なら帝王切開でベビちゃんが助かる可能性がある”
"あと数センチ降りてしまったら帝王切開の適応外だが、今の位置なら可能”

との事だった。

私は、お腹 切ってください!と即答した。
仕事中の旦那にも連絡をして、先生から電話で説明してもらった。

数時間後に手術が決まった。

旦那もすぐに駆けつけてくれ、手術前に会うことができた。
両親への連絡を旦那に任せて、私は手術の準備が始まった。

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