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セクシーゾーンライブツアー ザ・アリーナ2022~彼らのライブは、「夢」を詰めた一つの舞台だった

「セクシーゾーンライブツアー ザ・アリーナ2022」行ってきました。
どのアイドルグループをもってしても、今までで一番参戦したライブ。北海道から始まったこのツアーは、私は名古屋から途中参戦し、大阪、仙台、横浜、最後の静岡まで走り抜けた。余談だけど1日2公演キツすぎて、ただ騒いで(心の中で)泣きわめくオタクでこんなにしんどいなら、彼らはいかほどだろうと。勝利くんはそんな心配さえも、力強い言葉とパフォーマンスで吹き飛ばしたのだから、これ以上はなにも心配しないけど。
前置きが長くなったが、ここからは私の感じたすべてを書き記そうと思う。彼らの夏を、彼らが見せてくれた夏を、私の人生のハイライトに残るように。

セットリスト

★1
SUMMER FEVER
Desideria
Heat
Prism
★2
Sexy Zone
君にHITOMEBORE
麒麟の子
★3
THE FINEST
Summer Ride
君がいた夏に
RTT
シーサイドラブ
Sleepless or Trust Me,Trust You※横アリ初日、静岡公演のみ
Story
夏のハイドレンジア
Freak your body
RIGHT NEXT TO YOU
★4
Ladyダイヤモンド
Ringa Ringa Ringa
★5
休みの日くらい休ませて
ぎゅっと
★6
Forever Gold
LET’S MUSIC
RUN
★7
Dream

今回はセットリストと共に、★1~★7まで振り分けをした。あくまでもここからは私独自の解釈だし、オタクの戯言(風磨くんに言わせるとオタクの過大解釈。…これはふまけんに対してか)として受け止めてほしいけど、私はどうしても誰かとこの感動を分かち合いたかった。だからここまで見てくれたあなたへ。どうか「こんな見方もあるんだな~」と新曲のトラトラでも聴きながら眺めてください。

Sexy Zoneの創るライブは、演劇的である

これは私は各々のソロコン含め、リペ以降ずっと考えてきたこと。リペのテーマは「塗り重ね」、PAGESのテーマは「人生」、ポプステのテーマは「世界の日本」、SZ10THのテーマはまさに「記念」。では今回のザ・ハイライトは?
それは「夢」と断言できるだろう。でも「夢」といっても、いくつもの解釈が生まれる。眠るときに見る夢、将来の夢、叶えられた夢、叶えられなかった夢。
ここからはハイライト的に、書き記す。

★1 SUMMER FEVER~Prism

SUMMER FEVERの「終わらない夢を見たい 準備はいい?」から始まる彼ら5人の舞台。彼らの夢物語はすべてここからはスタートする。Heatの「Nothing is forever(この世に永遠はない)」「We would dance like there is no tomorrow(まるで明日が来ないように踊って)」も相俟って、儚いこれからの夢の演出を予言する。
(余談だけど、この「準備はいい?」と客席に問いかける聡ちゃんの演技力最っっ高でした・・・)

★2 Sexy Zone~麒麟の子

ここで1つ目の夢が現れる。それは、「もし彼らが80年代の男性アイドルグループだったら?」
曲調も80年代ポップスに編集され、SZファンなら多くの人は踊れるであろう3曲を披露。思い入れ深いデビュー曲の「Sexy Zone」をこのテーマに集約するのは意外であったが、それほどまでに彼らの選択肢は増えたということなのかな。衣装も言動も映像含め徹底されている。これが、彼らが私たちに見せてくれた1つ目の夢。

★3 THE FINEST~RIGHT NEXT TO YOU

これは、MC、及び横アリ初日と静岡のみで披露された新曲含む。アルバムのコンセプトに合った「THE FINEST」のようなシティポップ、季節に合った「Summer Ride」「君がいた夏に」「夏のハイドレンジア」などのサマーソング、そしてこんなコロナ禍だからこそ生まれた、「ROCK THA TOWN」のクラップゲーム。あとは「Freak your body」や「RIGHT NEXT TO YOU」で堪能できるダンスナンバー。余すことなく、もうこれ以上にない程最高な順番と選曲で私たちを飽きさせない。「Summer Ride」や「シーサイドラブ」なんかでは、多くのファンにお手ふりをして魅了させていたからね。さすが。

★4 Ladyダイヤモンド~Ringa Ringa Ringa

そして彼らは、楽しい映像を挟み、2つ目の夢を見せてくれる。それは、「もし彼らが80年代の女性アイドルグループだったら?」
5人が華麗な女の子姿で歌をうたうわけだが、「あ~よくあるオタクサービスみたいな演出ね~」なんて思わないでほしい。これはすべてのセクションで言えることだけど、彼らは「本気」なのだ。誰も面白おかしく、過剰に女装を強調しない。まるで本当に「80年代の女性アイドルグループ」のように振舞うのだから、私たちは夢から醒めないのだ。特にLadyダイヤモンドのダンスが少し変更されていたりして、もう10年も使われている定番曲なのに、こんな魅せ方があるんだなって新発見だった。
「Ringa Ringa Ringa」はそんなガールズアイドルたちの、秘密の恋でも歌っているのかなって、そこもちょっぴりドキドキした。

★5 休みの日くらい休ませて~ぎゅっと

ここらはもうフルスピード!3つ目の夢が早くも登場。それは「もし彼らが現代の『普通』を生きる青年だったら?」
「休みの日くらい休ませて!身体が壊れちゃう!」「休みの日とは認めないぞ!働いたんだし」と嘆きつつも、きっと明日もなんだかんだで『普通』の日々を生きるんだろうなあって。今思えばSexy Zoneの5人がそんな人生をこれから送ることなんてないだろうに、ライブ会場ではなんの違和感も持たなかった。
そしてそのまま繋ぐ「ぎゅっと」。「ぎゅっと」は、本当にいろいろな解釈ができる一曲だと思う。10人聞いたら10通りの答えが出てくるんじゃないかな。それは聞く環境にもよるだろうけど。今回に限ってこの曲は、「普通の青年が歌っている」かのような、ぎゅっとでした。
普通に就職して誰かと結婚して、普通に帰って普通に眠る。そんな普通が一番難しいのを知っているからこそ、「まあいっか」って笑えるのかな。そしてこの「ぎゅっと」は、次の夢のステージの伏線にもなる。

★6 Forever Gold~RUN

この舞台において最も欠かせないのが、実は「ぎゅっと」~「Forever Gold」の繋ぎの映像なのではないか。
突如照明が落ち、緊急ニュースが流れる。「突然アイドルが姿を消して、一か月も帰ってこない。悲しいニュースが続く「現実」の今、私たちは何を支えに生きればいいのだろう?」アナウンサーは悲しみを込めて訴える。
一方彼らは、まだ先ほどの「普通の日々」を送っていた。正確には、そんな夢を各々見ているのかも。
でも彼らは、いままでの夢から目覚めるんだ。それは、歌うのが好きだから。踊るのが好きだから。そしてどの時代でも性別でもない、すべてを超越して、5人でいることが大切だから。
カード型の変身アイテムを持ち、まるでヒーローのように彼らは帰ってきてくれた。「速報です!たった今、アイドルが帰ってきました!~セクシーサンキュー!」と嬉々として告げるアナウンサーは、とても楽しそうで嬉しそうで可愛らしい。彼らから見た私たちも、こんな風に見えているのかなって。ちょっと照れちゃった。
そこで始まる歌が、「Forever Gold」。これはアルバムのリード曲でもあり、この舞台を象徴している歌。そして彼らの人生を歌っている歌。
「駆け抜けた Teenage Dream」・・・まさに今まで夢たちのこと。全員が10代で、しかも平均年齢14歳でデビューした彼らは、どれだけ多くの夢を抱えてきて、そして破れてきたのだろう。やりたいコンセプトがまるで違っていたかもしれない。アイドルではない道を選びそうになった瞬間もきっとあった。でもそんな葛藤を乗り越え、彼らは駆け抜けてきた。「苛立ちを武器に蹴飛ばし」てきたのだろう。
「ダサいなりに本気だった 甘い日々たち」・・・これはよく自虐的に言うのだけど、そもそもグループ名がSexy Zoneって!ってなるよね(私は本当に好きな名前だけど)。MCでも言っていたけど、俗に言う「トンチキ」って彼らの曲のためにあるようなもので、当時は受け入れがたがっただろう。学友達にもからかわれただろう。でも「ダサいなりに本気だった甘い日々たち」は、今振り返ればまさに彼らのハイライトだ。
それだけではない、「Forever Gold」と言っているように、まさに「永遠の耀き」。風磨くんが挨拶時にも言っていたが、「普通の日々が人生のハイライトをつくっていく」。アイドルであることの楽しさ、特別さを思い出した彼らは、夢から醒め、再びSexy Zoneとして集結したのだ。
そこからはもうアップテンポで、「LET’S MUSIC」と「RUN」を披露していく。
「J-Pop? Jazz? R&B? Hip-Hop?House? Rock’n Roll? Dub-Step?Trap?Love Ballad?」今の彼らは、どんなジャンルの音楽もお手の物。
「止まらないで 止まらないでよ 僕らはまだ始まったばかりさ」力強く歌う彼らのこの曲が、私は大好きだ。「ここでやめんなやめんなよ」の勝利くんはもちろん、「君がいなきゃ何も始まらない」で必ず5人を表現してくれる風磨くんも。・・・そうだ、彼らには、私たちには、まだピースが埋まっていない。

★7 Dream

あっという間だった、彼らの夢物語。彼らからはたくさんの夢を見せてくれたし、同時に彼らもたくさんの夢を見てきたのだろう。
最後に締めくくるのは、iri作詞の「Dream」。風磨くんの挨拶きっかけで、会場はペンライト含めて全てオレンジになる。これが夕焼けみたいで、1日の終わりみたいで、夢の終わりみたいで、とてもとても綺麗だった。
この歌は、そしてこの構成は、たくさんの解釈があると思う。前向きに捉えることも、もちろん出来ると思う。でも私はあえて、少し切ない解釈をしていいだろうか。
「終わらない夢を見よう」とオープニングで盛り上げて、でも結局は「夢みたいに綺麗に消えてOK?」と締めくくる。彼らのライブは、いつもどこか寂し気な感情を孕んでいるから、今回もそれが狙いなのだろう。物語は自由だ。
けど、続きが実はあって。多くの会場で挨拶の言葉として紡いでいた、「明日から普通の日常が始まるけれど、そんな日常に寄り添えるアイドルになれたら」という言葉。夢のような時間は、悲しいかな終わりは必ずある。でも日常は、続いていく。そんな「夢」と「現実」の橋渡しをしてくれたのかなって、そう考えた。それはもちろん、橋の向こうで「バイバイ」と手を振る彼らではない。一緒に手を繋いで、橋を渡ってくれる。日常に寄り添ってくれる。私たちの複雑かつ言語化できない気持ちを受け止めてくれる。
だから、「遠回りでもいいから ここで僕と待つのはどうだい」と、あの子と私たちに向けて提案してくれる。

最後に

思った以上に長くなった・・・けど後悔はない・・・!今回のツアーは、アクシデントがたくさんあった。健人くんがコロナになり、福岡公演が中止になり(私はすでに現地にいたので、モツ鍋と水炊きを堪能しました。福岡グルメ、最高)、勝利くんがコロナになり、横アリ公演は初日以外3人で走り抜けた。そもそも1人欠けているし。台風接近で中止になるかもメールもきたね。どれだけ彼らに試練を与えたら、神様は許してくれるのだろうね。

静岡公演、ありがたいことにオーラスに入りました。ダブルアンコールの「フィルター越しに見た空の青」、私は青いペンライトを祈りのようにささげて、じっと彼らを見ていた。
ダブルアンコールの挨拶で福岡公演に言及するとき、健人くんが一言も発さないのは、メンバーの心遣いと健人くんの覚悟だろう。そこで謝るのなんて簡単だ。でも謝れば、「謝らないで」とファンは悲しむし、複雑な思いを抱える参戦予定のファンたちは、もっともっと複雑な思いを抱え込んでしまうはず。前だけを見つめる健人くんの顔は、神様でもなんでもない、普通のひとりの若者だった。私たちに夢を与えてくれる、けど同じように悲しみ憤りを抱えるひとりの青年だった。どうして彼を、責めることなんてできるのでしょう。

私は明日からも、普通の日常を歩んでいきます。時に夢を見ながら。時に夢を叶えて、破れながら。彼らもきっと、そんな日常を歩むのでしょう。ありがとう、青年たちよ。「こんなこと、想像したくはないけど、いつかお別れするときがあるなら」、私はこのハイライトをいつでも取り出せるように、いま感じたすべてを、ここに記す。

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