出産レポ② トラブルは波のよう。出産が奇跡な理由が身に沁みました
たくさんの温かい支えのおかげで
とにもかくにも赤ちゃんは産まれました!
思いがけず、赤ちゃんは産後すぐにNICUへ。
小児科とNICUのある病院であった事
親身なお産介助と、迅速な診断と処置を頂いた事
コロナ禍の出産のため、陣痛までは病棟へ入れなかったものの、一番壮絶な時間を一緒に乗り越えた夫への
感謝を噛み締めています。
産み切った達成感を感じる間も無く
満身創痍の身体と、産後のアドレナリンで冴える脳の狭間で
私の赤ちゃんは大丈夫なんだろうかと、何度も何度も目覚める夜が明けました。
私の赤ちゃんは
お産でかかる過度なストレスによって
必死に羊水を飲み込みながら産まれ
呼吸困難な状態で誕生しました。
破水から12時間半
本陣痛の開始から4時間半
お産自体はスピーディーで
お陰様で安産であったと思います。
現代において当たり前だと思っていた
「無事に産まれる」という事が
どれほど有難い奇跡の連なりなのかという事を
今回の妊娠出産を通じて
身に染みて痛感させてもらいました。
出産直前の想定外トラブル①フライング入院
最初のおしるしと前駆陣痛があったのは
出産の10日も前の事。
今か今かと待ち続けて
時々襲われる痛みと戯れながら
徐々に体力が限界に近づいていく事に
出来るだけ気が付かないように過ごした10日間。
1週間が過ぎた頃、10分置きに、痛みを伴うお腹の張りを感じるようになって入院するも…
分娩室で陣痛が遠のいてしまうというまさかの事態で
翌日退院。
症状「前駆陣痛」で医療保険は効かず
ただでさえ疲労困憊した所に
5万円を上回る請求書…
仕方のない事と分かりつつも
「大丈夫だよ」と、出来るだけ何でもない事かのように
かっこよく支払ってくれた夫への申し訳なさ、、
今後似たような経験をされるかもしれない方のご参考に
この際色々と明け透けにお話しすると
長期の切迫早産入院で、ただでさえ60万円近い医療費がかかっており(こちらは「高額療養費」の適用となり、後日幾らか戻るそうです)
※後から知ったのですが、戻る分を立て替えずに済むために、入院中に出来る手続きがあります。もし今後何かで入院したり、大きな医療費がかかる事が事前に分かる事がありましたら、加入している健康保険で「 限度額適認定証 」発行の手続きもお忘れなく。
流石に落ち込みました。
切迫早産での入院は「お腹の子の将来、命のため」納得できた出費。(保険も効きますし…)
しかし今回は、、一体これは何なんだ??
金額の大小、そのもの以上に
途方もない空回り感が堪える…
少し気持ちの整理に時間がかかったものの
これも
「全力で夫の存在に感謝し、生涯添い遂げると改めてコミットメントさせて頂けた出来事」
と。そう受け取らせて頂きました。
全然関係ない話のようですが、帰り道、夫の助手席で
歌舞伎役者の中村芝翫さんの三度目の不倫報道を見ていました。
二度目の不倫報道の時、奥様の三田寛子さんが放ったという
「人生における初めての挫折は流産でした。その時夫は、思いやりと愛情を持って支えてくれました。この人に生涯添い遂げると決めたんです」
というコメントの紹介があり、謎に号泣しました。
やはり今思えば、相当メンタルがやられた状態であったと思います。
出産直前の想定外トラブル②やけど
とにもかくにも、長引く前駆陣痛には
体力も気力も奪われます。
フライング入院のダメージを
何とか思考の切り替えで前向きに乗り切った翌日。
大きく張り出したお腹で
色んなものとの距離感がおかしい中
キッチンに立ち
黙々とお料理をしていました。
おでんの鍋に、茹で卵を放り込んでいたら
そのうちの一つが手を滑ってしまい
その拍子に何故か
大根の葉っぱを茹でていた隣の鍋の取手に
手を激しくぶつけ
ひっくり返った、進行形で沸騰中のお湯を全身で浴びました。お腹の赤ちゃんが、ゴロっと、動きました。
ああ、そうだった…
出産前後はとにかく、無理は禁物
37週を越えると
家事を積極的にと気を張りがちですが
身体がしんどい時には休む事が前提。
それでいいんですよね。。
痛い、痛い教訓でした。
冬だったので厚着で助かりました。
身体は、右足の一部がズボンの上から火傷したのみで済みましたが(それも痛いですが、、)
もろにかぶってしまった右手が重傷…
冷水の中に夜通し手を突っ込みながら
泣きました。
この痛みと腫れでは
お産でいきめない。
この期に及んで
火傷が理由で帝王切開か、、
アホほどポジティブに生きていこうと
心理学を学ばせていただいたり
自己啓発本を読み漁ったりして
長らく心の筋トレを続けてきた私も
この時ばかりは疲労も相まって、ネガティブ思考のループにハマりました。
様子を見に来てはいたわってくれる夫に、つらつらと泣き言。
妻の状態に限界なのは、夫も同じ。
仕事に加えて、長男の育児に家事。
2人で支えてきた全てを、私の切迫早産入院以来、ほぼワンオペで背負い続けるプレッシャーと疲労に
黙々と彼は、折り合ってくれています。
「お腹痛い、、」そう言ってトイレへ向かう夫に
また自分への情けなさが募り
冷水に手を浸して、涙も拭かぬまま寝ました。
翌日、色々と開き直って
「右手が機能しないので、私を風呂に入れて欲しい」と夫に依頼しました。
快く、お風呂で妻を丸洗いしてくれた夫と
一緒に湯船に浸かっていると
もう、何が何だか分からないのですが
まるで魔法のように…!
手の激痛が、和らいでいました。
トラブルから学んだ事
思ったんです。
あれもこれもそれも全部…
私が夫を選んで一緒にいる事が
どこまでも正しい選択だったと
何度でも判るために
さすがの大馬鹿でも気付くように。
夫が私を選んで一緒にいる事に
何度でも覚悟(諦観?)を固めるために。
未熟な夫婦が(理由など必要ともしないほど)絆を
体感で築く、ただそれだけのために
起こっているんじゃないかなと。
そうとでも思わねば、やっていられない
というのもあるかもしれませんが
とにもかくにも、夫婦は続きます。
海外の結婚式の、牧師さんの言葉のように
いつか死が、2人を別つまで。
幸せには、どういうわけかいつだって
痛みが伴います。
出会いにも
プロポーズにも
結婚式にも
マイホーム購入にも
出産にも
子供の成長にも
普遍的な幸せに
それぞれの痛みを抱えて
夫婦は夫婦になっていく。
親の親らしからぬ姿さえ、子供は間近で見ています。
この先何があろうと家族でいられる回復力を
ここぞとばかり、身につけるために
お腹の子は来てくれたんだと
無性にそう思えて、仕方ありませんでした。
痛みと共に、心のダメージも癒えていく…
そうなるともう、この火傷さえ
「おかげで、Emily in Paris シーズン2と、Love acturayが見れた」
と、楽観的に捉える事も出来始めます。
泣きながら、何も考えないようにしようと
1人ベッドで手を冷やしながら
5時間ほどネットフリックスを一気見したのですが
そんな事、赤ちゃんが家にやって来たら
数年間はお預けでしょう…
この家族を守り
この家族で乗り越えていく。
いつだってそれは
正直な気持ちと
すぐ目の前にある現実を
朴訥と織りなしていく事でしか
育まれません。
この後も容赦なく、何一つ思い通りにいかない現実に翻弄されるわけですが
随分長くなったので、続きは今度にします。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。