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あのときのフレンチトースト

フレンチトーストを食べるようになったのは最近。
五十代になろうかというころにはじめて食べて「あら、これって美味しいんだ」と思ってね。
以前は「なんとなく気持ちよくない食べ物のような気がする」ものとして
フレンチトーストとオートミールのことは避けて来た。

学生の頃に大好きだったこばやし君がフレンチトーストを作っていた。
「食べる?」って聞いてくれたけど
好きじゃないので「いらない」と答えた。
そういうときに「少しだけもらおっかな」って言えばいいのに
我ながらそっけない。
すべてにおいてそっけないままで
本当は彼を好きでもそれは言えなくて、、、、
こばやしくんはこの時のことなんかおぼえてないだろうけど
私はくっきりと心の中にあるまま。


それでもバレンタインデーに意を決して夜に訪ねて行ったら
部屋に男友達がいて入れてもらえなかったり
夏休みにアメリカに行くというのでその前に会えるかなと思って電話しても
それはやっぱりそっけなく断られ
二人はずっとすれ違ったままだった。

最後に会ったのは新宿で
「恋に落ちて」を見て別れた。そこからは一度も会っていない。


でも、ネット上で再会?して
文章のやりとりをすることもできたしネットで画像はみることができるし
彼はあるメディアに出ていて、時々見ることができる。
もちろんもう恋愛感情などはちっともないけど懐かしい。
本当は大好きだった。

素直な会話を一度でいいからしてみたいと思う。
若い時はあまりにもそっけなかった私で今もその頃のいろいろを思い出すたびに
もう一回やり直したくなる。

フレンチトーストをどこかで一緒に食べるだけでもいいかな。

いつかそんな日が来るといいな〜〜
ないだろうけどね。

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