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燃える星屑

その世界は、碧く燃えるような火が反射し、広がっていた。

バスに乗っていた僕は、停留所に止まることがないまま龍の背中に乗るかのようにこの銀河の中を流れていく。

星屑のように無数に散らばって、何処までも手を伸ばす。

たった数秒前に爆発したばかりの僕は、もう過去の名前を思い出せない。

もう、あの日のバスの中にはいない。

はじまったばかりの世界の中で息をする。

碧い銀河は蜃気楼のように、異なる密度が重なり合っていた。

君は赤く、僕たちの境目はいつの間にか見えなくなる。

無数の僕は、散らばって新しい振動を奏でていく。

まだ名前もない僕は、遠い世界の誰かに向けてこの振動を響かせていた。