erid

物語のようなもの。詩のようなもの。色んな思考を歩いてみたい。

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最近の記事

浮遊

その瞬間、世界は浮遊していた。 私は私の顔や手や足がどこにあるのか分からなかったが、心を置き忘れる必要がなかった。 心は身体に浸透し、身体は心に誠実に動いた。 この世界で、私の身体はそれまでの姿を忘れてしまうほど大きく伸びていき、私の心の周辺をまわり、一瞬で世界をつくっていった。 私は浮遊していた。 身体がそれまでの姿を忘れても、心が記憶の全てを愛で満たしていった。 それは恋に似ていたが、心も身体も、決して嘘はつかなかった。 私たちはお互いを理解する事を忘れてはい

    • siblings

      かつて、私たちは色とりどりの煙であった。 燃えるように光り、絡まり合っていたが、私たちの関係性はその都度変わり、いつまでも遊んでいた。 この世界に、時間は存在しなかった。 昼もなければ、夜もない。 私たちは飽きることなく、お互いがくっつき過ぎることも、離れ過ぎることもないように踊ったり、歌ったり、長く伸びたりしていた。 時折、小さくなり過ぎて消えてしまうものもいたが、誰もそれを責めることも拘束もしなかった。 私たちは、どれだけ仲が良くても同じであることは無かったが、同じ

      • 久しぶりにxx聴いてて JamieのLoud Places懐かしくてリピってしまう ビート音みたいなと カタカタする音がなんかいい 乾いた音と高まっていく感じが

        • たまに、マーブリングやりたいなってのが出てくるのだけど、水を使うから家ですると結構大変。水に浮かぶ模様が出来ていくのを見ていたい。

        • siblings

        • 久しぶりにxx聴いてて JamieのLoud Places懐かしくてリピってしまう ビート音みたいなと カタカタする音がなんかいい 乾いた音と高まっていく感じが

        • たまに、マーブリングやりたいなってのが出てくるのだけど、水を使うから家ですると結構大変。水に浮かぶ模様が出来ていくのを見ていたい。

        マガジン

        • 詩のようなもの
          41本
        • 短い物語
          9本

        記事

          琴冷え

          長い冬の中で、永遠の春を待っていた。 この冬が始まってから、これが冬であると知ったのは、いつまでも続く春に恋をした日だった。 冬の中で、遠い春を描いていたのだ。 私はひとり、冬の中で起きていた。 この世界に、まだ生命はいない。 冬を知った私は、額縁の中で踊るように描かれていく春を覗いていた。 紫色の花が現れ、流れるようにまわっていく。 私の心の音が鳴る。 世界に命が溢れていった。 咲き乱れる花たちが見上げる先の太陽は、この一枚の絵を囲む縁のように遠かったが、咲き乱れる春

          琴冷え

          泳ぐ言葉たち

          バラバラになったものを引き上げたいという感情が、何処からか湧き上がってきた。胸の奥に沈んだ記憶が、私を揺すぶっていた。 言葉にすると、口からこぼれ落ちた途端、パラパラと散って死んでいった。 胸の奥に沈んでしまった記憶が、まだ見えなかった。 愛はすでに死んでいた。 それなのに、私はただ世界に言葉を吐き出すしかなかった。 あの日生まれたばかりの言葉は、明るい光のように空気中を流れていったのに。 世界は広く、森も川も何も隔てはしなかった。 でも、ある日、向かった先で言葉は跳ね返り、

          泳ぐ言葉たち

          何かを犠牲にするという時、それに対する意図やそれ以上の敬意があるというプロセスを含めないで、形や合理性の為というのはもう出来ないなと感じる。今までの形から変わるという時、その欲求を手放すだけの明らかなものが含まれている。

          何かを犠牲にするという時、それに対する意図やそれ以上の敬意があるというプロセスを含めないで、形や合理性の為というのはもう出来ないなと感じる。今までの形から変わるという時、その欲求を手放すだけの明らかなものが含まれている。

          呼吸

          例えば2000年前、「優しくなりたかった」と思っていた誰かの心の声が嵐になり、雨になり、流れてきたら、私は知らないうちにそれを飲み干してしまうだろう。 荒れる空は大粒の涙を落としていった。 私は、2000年前のあの人と同じように「優しくなりたい」と思っている。 行き場のない声が大地を覆った。 混ざり合う心の声は、ただ見つけられなかった漠然とした「優しさ」という言葉に変わってしまった。 生きることの苦しみが、たどり着かない優しさを求めた。 やさしくなれない私は、息継ぎのできな

          藤井風の新曲、なんか癒されるな。今日は強風の中散歩をした。日差しは春。風邪をこじらせてから身体の方が回復しない。過去の色々が出てきてる。体力つけなきゃ。

          藤井風の新曲、なんか癒されるな。今日は強風の中散歩をした。日差しは春。風邪をこじらせてから身体の方が回復しない。過去の色々が出てきてる。体力つけなきゃ。

          二つの顔を持つ狐が、支流に立っていた。 狐は今にも死にそうな顔の消えかかった狐を連れ、立ち止まっている。 何故、顔が消えかかっているのか、私には想像が出来なかったが、ふと、花が枯れるように、狐は枯れてしまうのだという考えが浮かんだ。 今にも消えそうな狐を見ながら、私は水を探さなければと思っていた。 その水がどんな水であるのか、ほんの一瞬、狐が消える直前だけ知る事が出来たが、またすぐに分からなくなった。 片方の狐は白く、大きかったが、私の目を見て何かを伝えようとしていた。 そ

          星が落ちてきそうな夜。 窓の外は暗い。視界には暗闇が広がっていた。 夜空に星が散らばった日。 星は降り、「私」は生まれた。 落ちた衝撃から燃えた暗闇で、私は離れ離れになった光を探しはじめた。 夜空の星は今も止まったまま、整然と動かないが、見当たらない星を探していた。 燃えるような黒い風に包まれ、辿り着く光を探している。 私の目が星を探すたび、心に黒い風が吹き荒れた。 風の中を流れていく光が、いつの間にか入れ替わり、また分からなくなる。 「私」を吸い込もうと吹いた風の隙間

          シュニトケとアルヴォ・ペルトの曲を繰り返していた。知らない素敵な曲が沢山あるな、とまた色々なジャンルの音楽を聴いている。ここ数日、神話について巡らせていた。アポロン的なものとディオニューソス的なものを単純に二つに分ける事は出来なくて、私はまた数学が苦手な夢を見る。秩序が分からない

          シュニトケとアルヴォ・ペルトの曲を繰り返していた。知らない素敵な曲が沢山あるな、とまた色々なジャンルの音楽を聴いている。ここ数日、神話について巡らせていた。アポロン的なものとディオニューソス的なものを単純に二つに分ける事は出来なくて、私はまた数学が苦手な夢を見る。秩序が分からない

          夏の大三角がふと浮かんできた日があり、見ていた夢は中々緊張感があった。最近気になっていたのは亀の冬眠している四角い領域と、飛行機の離陸。意識と無意識、外と内、客観と主観、全体と細部。いつの間にか入れ替わったり、移動したりする、心と頭を合わせていく。

          夏の大三角がふと浮かんできた日があり、見ていた夢は中々緊張感があった。最近気になっていたのは亀の冬眠している四角い領域と、飛行機の離陸。意識と無意識、外と内、客観と主観、全体と細部。いつの間にか入れ替わったり、移動したりする、心と頭を合わせていく。

          このページにはあまり夢の事を書かないで、詩とか絵とか、日常の事とか、音楽の事とか、分かりやすいものを書こうとはじめは思っていたのに、いつの間にか夢の事を呟きまくっていて、溢れてくる。何故だ。

          このページにはあまり夢の事を書かないで、詩とか絵とか、日常の事とか、音楽の事とか、分かりやすいものを書こうとはじめは思っていたのに、いつの間にか夢の事を呟きまくっていて、溢れてくる。何故だ。

          クジラに変化があるという今朝の夢。沢山の生き物が海にいて、巨大なクジラや恐竜みたいなコースがあり、その中を生きて進めるかみたいな内容だった。集合意識のことかな。ガラスみたいな青い不思議な花が色々刺さっていたり、テーブルの一部が尖っていたり、別のタイムラインの筒だったかもしれない。

          クジラに変化があるという今朝の夢。沢山の生き物が海にいて、巨大なクジラや恐竜みたいなコースがあり、その中を生きて進めるかみたいな内容だった。集合意識のことかな。ガラスみたいな青い不思議な花が色々刺さっていたり、テーブルの一部が尖っていたり、別のタイムラインの筒だったかもしれない。

          黒い水

          「私」の上で揺らぐ黒い水を見ていた。 覆い被さるその水は、何も映すことはないが、身体ごと「私」を連れ去っていった。 「私」の上の水は、私自身が水ではないことを表していた。水でもなければ、岩でもない事を知っている。では一体「私」とはどこから湧き上がってくるのか。 毎晩向かい合うその黒い水に問いかける。 たちまち「私」は溶けて水の中に沈み込み、透明な感覚に浸される。 水ではなかった私は、いつの間にか溶けてしまい、水かどうかという疑問さえ持たなくなっていた。その内部は、水や岩や、山

          黒い水