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북촌 한옥마을/Bukchon Hanok Village - 韓国旅行記(旅行というか週末の過ごし方)


Booking.comを通じて予約したゲストハウスが、フランスの旅行ガイドブックミシュランガイドグリーン・ミシュラン コリア最高ランクの“三つ星”になっていると知ったのは、24時を過ぎて到着してへとへとになりながらチャイムを鳴らし、何度も鳴らし、やっと起きてくれたご主人がめちゃくちゃいい人で、かたことの英語と笑顔(眠そうな)で諸々のやりとりを終えて布団に入ってスマホを眺めて調べてやっと、でした。

Hyosunjae Hanok Guesthouse/133-2, Anguk-dong, Jongno-gu, 鍾路区(チョンノグ), 110-240 ソウル, 韓国

朝の8時、伝統的なスタイルで配膳された朝ご飯は上品はピビンバ。八角形のお盆の上に所狭しと並べられた金属製のボウルにお箸に気持ちが落ち着きます。それよりも何よりも、配膳に来てくださったお母さまの笑顔に癒されました。味は絶品。別棟が台所になっていて、そこで準備し、中庭を通って部屋まで届けてくれました。

伝統的な建物にアットホームな雰囲気、かつ駅から徒歩5分以内という素敵なゲストハウスなのに一泊6000円弱とリーズナブルなのが驚きです。

さて街はといえば、原宿と向島と浅草をめちゃくちゃに配置したような、そんな街並みが続きます。歴史を感じさせる塀が続いているかと思えば、その向かい側にはオシャレなカフェにギャラリーにセレクトショップが並びます。

あちらこちらに見える細い路地に足を踏み入れれば、時代が変わったかのように見える建物がドンツキ(行き止まり)を飾りますが、そこは民家とゲストハウスが混在する不思議な場所。大きな道には車が通り、民族衣装を身に纏った観光客が路地を歩きます。なんだここは。

行政主導の景観保存施策に反対した住民が得た規制緩和によって歴史的建造物の危機に直面し、住民主導の景観保存計画が動いているこのエリア。入り組んだ意図や歴史の産物とも言えるこの景観が様々なことを考えさせてくれます。規制緩和を獲得した住民たちは何を望んでいたのでしょうか。彼らと景観保存計画を実施している住民とは同一なのでしょうか。

実は12月に訪れた歳も同じエリアのゲストハウスに宿泊しました。2月に泊まったゲストハウスよりも生活の香りが強い…気がします。それもそのはず、ここは3ヶ月ほど前にスタートした新しい場所なのです。以前もまたゲストハウスをしていた物件を、現オーナー(元消防士)が借りて第二の人生をスタートさせました。朝食を作るおぼつかない手は明らかに新米ゲストハウスオーナーですが、ホスピタリティを全力で溢れさせるコミュニケーションはこちらが気恥ずかしくなるレベルです。

彼は元々の住民ではありません。つまり規制緩和を勝ち取った人々でもなければ、景観保存計画を推進している住民でもありません。ゲストハウスという生活スタイルに家族もろとも挑戦している新しい住民です。聞けば同じようにゲストハウスとして売りに/貸しに出しているオーナーも少なくないとか。

景福宮に隣接した区画かつMMCA(国立現代美術館)も近くにあるこのエリアに対して、どの層の意見がどのように作用していくのか。願わくば12月に泊まった新米オーナーのような「機会」を身の丈に掴むことができる文化的なエリアになると嬉しいなと思います。


■북촌 한옥마을/Bukchon Hanok Village

http://bukchon.seoul.go.kr/jap/intro/history.jsp

北村韓屋村wiki


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