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「今ここ」に居続けられたのは人生で最も困難な時だった

今日はこころのことを書きます。

心理カウンセラーとして17年。
人をカウンセリングするには、自分を癒し、自分の心が平和な状態であることがとっても大事。
なので、心理学セミナーやカウンセリングを私自身も継続して受け続けている。

心理学を学ぶ中でよく聞く言葉が「今ここ」。
「今ここ」にいることが大事。
「今ここ」にいることで心の平和を感じ、意識を集中させることができる。

私たちの肉体は「今ここ」に存在しているけど、
意識はとても自由に過去と未来を行ったり来たりしている。それも瞬時に。
ふと気づくと、意識は「今ここ」に居ないことが私は実によくある。

意識が「過去」にいくと、痛みを感じる。
過去の失敗や、悲しい出来事、傷ついた体験を思い出しているから。
意識が「未来」にいくと、不安や怖れ、苦しみを感じる。
起きてもいないことを怖れたり、出来るかどうか不安になり、やるべきことを考えては苦しく感じてしまうから。

意識が「今ここ」にいないと、そんなネガティブな意識にとらわれてしまう。
そんな状態では、自分をそして周りを信頼するなんて難しいこと。
だから「今ここ」にいることが大事であり、
「今ここ」で生きることを選択し続けていく。

さっき読んだニュースレターで「今ここ」について書かれていて、
本当にそうだなあと納得しながら読み進めているうちに、ふと思った。

「私が『今ここ』に居続けた、とはっきり言えるのはどんな時だろう?」

意識が過去と未来をめまぐるしく移動している私。
気づいたら怖れを感じて(=未来)ハッとして今に戻ってくる。
瞑想していても、頭の中がぐるぐると「あれどうしよう」と
未来のやることリストを作成してたり、と
「今ここ」に定住するのが非常に難しい。

そんな私が思い出したのは、人生で最も困難だった時のこと。
14年前、前夫が亡くなったときのことだった。

亡くなった直後は、本当に「今ここ」に集中してた。
実際のところは「過去」を考えると悲しくてやり切れなくなりそうだし、
小さい子どもを抱えての「未来」を思うと不安しかない。
だからこそ、過去も未来も考えず、ただ「今ここ」に生きていることを味わっていた。

今のさびしい気持ちを感じ、助けてくれた人たちに心から感謝し、
あれこれ思いを巡らせることなく、ただひたすら「今ここ」にいて
たくさんの手続きをこなしていた。
「今ここ」に居られれば、不安や恐れを感じる隙がない。
「今ここ」にいると「きっと大丈夫!」という未来への信頼しかなかった。
感情を切り離していたわけではなく、余計なことを考える余裕がなくて
「今ここ」に集中できた。

「今ここ」に居続けられたのは、それまでずっと心理学を通じて
自分を癒し、「今ここ」の大切さを知り、その感覚を知っていたから。
悲しみや不安が襲ってきても、「今ここ」を選択して戻ることができた。

それまで亡くなる前は、未来の不安を感じていたけど、
亡くなったとき、朝日を見ながら心穏やかに平和とともに
静かな悲しみを感じていたのを思い出した。

すごく楽しいとき、幸せを感じているとき、何かに集中しているとき。
その時々で「今ここ」にいるけど、
居続けたことを思い出したら、その時が真っ先に思い出された。

先日、友人のパートナーが急に亡くなられた話を聞いたことも
影響しているかもしれない。
今、当時を振り返ると、悲しいながらも一生懸命で、愛と感謝もいっぱいあって、充実していたなと思う。
「今ここ」を生きた私の愛すべき時間でした。




















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