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『都挺好』- 中国の長編人気ドラマ

「家族団らんが何よりも大事。」

これは中国メディアで頻繁に出てくるキーワードで、テレビCMですら団らんの大切さを訴える。つまり、中国で育った人からすると「家族が大事」「親孝行するべき」というのは、ある種すり込みに近いレベルで常識になっている。

核家族、そして、親の干渉が少ない(子どもの自由が尊重される)日本とはだいぶ認識の差がある。中国人の親なら学校・結婚・仕事など、何かにつけて子どもの生活にうるさく口出しするし、子どもは親の世話をするのが当然で、親を見放そうものなら親不孝者として吊し上げられる。

しかしいくら家族とはいえ、人間どうしの関係であることに変わりはない。関係が深いからといって、良いことばかりというわけにはいかない。この作品『都挺好』は、そんな現代中国の家族像、特にその「面倒さ」「逃れられなさ」に正面からスポットを当てた作品。

こんなド直球のテーマを当局がよく許可したなという印象だが、中国人にとってはそれだけデリケートな問題で、だからこそ人気を博したとも考えられる。

本ドラマ内容について、簡単に概要だけ。

家族に対して、それぞれの考えがある登場人物たち。孝行息子としてのメンツが何よりも大事な長男、マザコンの次男、家を家と思ってない長女、すべて見て見ぬふりの父。厳格な母の死をきっかけに一同が集う。『都挺好(=うまくやってるよ)』にどうまとまるのかが見どころ。

『我的前半生』でも思ったが、最近の中国ドラマはクオリティが高くて驚く。ストーリーのみならず、映像・音響も素晴らしい。また、長女を演じる姚晨は、スター性のある演技で物語をグイグイ引っ張る。人口多い中国で一流女優になっている人物だから、さすがというべきか。

Youtubeで全編見れるので、ご興味のある方は是非どうぞ(中国語です)。中国の家族事情についての理解が深まります。



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