青いカーテンが揺れる愛の選択|映画『ロマンスドール』『his』
本当のことを、言っていいんだよ。
「日本映画は、わざわざ劇場でみる価値のない作品ばかりだ」と言っている人がいた。ちょうどそんな声を見かけた時にわたしは、タナダユキ監督の『ロマンスドール』と今泉力哉監督の『his』を観に映画館をハシゴしたばかりで、その愛おしさに泣き出しそうになっていた。
先日の92回アカデミー賞で沸き立っていることもあってか2作とも劇場は満席で、日本映画を劇場で観る価値を知っている人がたくさんいることに少しだけ安心したりして。名前も知らない誰かと同じ空間を