「極楽鳥」展は、鳥とジュエリーの美しさを心ゆくまで堪能できる
東京駅からすぐの「インターメディアテク」ではいま、剥製の鳥の美しさと鳥モチーフの宝飾品の美しさを同時に味わえる超贅沢な展示、「極楽鳥」展をやっています(2023年5月7日まで)。会期終了間際+大型連休で混雑する前に、と、外出ついでに行ってきました。
これはもう、行ける人はぜひ行ってみてほしい。鳥が好きな人も、標本や剥製が好きな人も、アートやデザインが好きな人も、ハイジュエリーが好きな人も、どれにもあんまり興味ないけど映える写真を撮りたい、という人にも胸を張ってお薦めします。
鳥ってたいがいジュエリーのモチーフにしたくなる造形だけど、この展示の主役は、鳥のなかでもとくに絵になる「極楽鳥」。すなわち、飾り羽を不自然なまでにふっさふっさとつけたオオフウチョウです。パプアニューギニアにいます。
そしてこの極楽鳥展のすごいのは、本物の鳥の剥製と、名だたるジュエリーメーカーが技術と贅の限りを尽くしてつくった鳥モチーフの宝飾品が一緒に展示されているところ。
インターメディアテクは前から完全無料で誰でもふらっと入れたし、出入り口も2つあるんだけど、これだけ豪華なジュエリーがずらりと並んでいると、セキュリティ大丈夫なんだろうかとさすがに心配になるぐらい。50はゆうに超えるきらきらジュエリーがまばゆい光を反射してました。
さらに、B5判でフルカラー40ページの図録も無料配布。用紙にも造本にも妥協なし。太っ腹すぎる…!
極楽鳥以外の鳥の剥製も、ジュエリーも、楽しみポイント満載です。
この孵化したてのひよこジュエリーはあまりにかわいくて、すぐに剥製作家の友人、浜口とりちゃん(浜口標本)に写真を送ってしまった。とりちゃんは一般的な剥製だけでなく、作品としてこういうのをつくっているのです。
さて、極楽鳥展に戻ります。こちらはニジキジ。虹色の雉ですね。
こういう、見る角度によって色を変える「構造色」については、『ヤモリの指から不思議なテープ』というバイオミメティクスの本を子ども向けに作ったときにずいぶん勉強したので、いまも構造色をもつ生きものを見ると、角度を変えながら(つまりその周りをぐるぐるまわりながら)凝視してしまいます。鳥の羽根には青系の色素がないので、青い鳥の羽根はみんな構造色。表面の微細構造を反射させて色を出しています。
(追記2023/6/8:生きてるニジキジの見事な写真をtwitterで見かけました。色のバリエーションがすごい)
いやー、振り返ってるだけでも楽しいです。インターメディアテク「極楽鳥」展は2023年5月7日までです。
(追記)2023.5.11
極楽鳥展、終わってしまいました~。前に行ったことがあったんだけど、本記事を読んでもう一度行きたくなった、という「ロクセンスズメダイ」さんがtwitterで再訪レポートをアップされてました。
キンケイの剥製はあまりに色鮮やかでヨーロッパ人からはフェイクの剥製だと思われたとか(実物キンケイの写真も続きのtweetに)、パラワンコクジャクの構造色もみごと、など、わたしが追いきれなかったトピックがたくさんレポートされてます。全部、図録には載ってない話。
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