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【レビュー】BTalksインタビュー#2 大塚裕土選手vol.1

私が参加してるオンラインサロンのメディア「BTalks」のインタビューレビュー。熊谷選手に続き、今回は川崎ブレイブサンダースの大塚裕土選手。言葉の重さに「さすがベテラン!」と唸りました。もし新天地で悩んでる人がいたらぜひ見て頂きたい内容です。

【BTALKS 第2弾】大塚裕土選手

大塚選手の約30分を超えるインタビューを見終わって、わたしはちょっとした違和感を感じていた。しかしもう一度みたときに違和感の正体が明らかになった。それは、大塚選手は当然バスケの話をしているのだが、なぜか営業マンの話を聞いているように感じてしまうからだ。インタビューの最初から“できる”営業マンを彷彿させる受け答え。話を聞けば聞くほど、大塚選手の魅力に引き込まれていった。

選手だけじゃない、クラブとして優勝を目指す

東海大を卒業してから過去5クラブを渡り歩き、昨シーズン、川崎ブレイブサンダースに日本人の最年長として加入。インタビューは、そんな数々のチーム経験を掘り下げる質問から始まるのだが、これは事前にファンから募った質問だった。

―メンバーと絡みがなかった川崎に移籍してチームに溶け込む秘訣は?

移籍するときに考えるのは、そのチームにいる選手やコーチを理解しようとすること。自分のことを伝えるのではなく、まずは聞き手になるのを意識しています。

言葉に詰まることなくさらりと聞き役になるという言葉がでてきていた。誰かの教えではなく、経験上、実に腹落ちして行っていることなんだろう。「我を通してもチームで通用しないし、衝突してしまったり。衝突しなくてもうまくいかないことを見てきている。」

営業を経験されている方ならお分かりになると思うが、”聞き役”というのは営業マンで重要なスキルで、まさかプロバスケ選手からこのような考え方がでてくるとは思ってもみなかった。営業管理職の私はインタビュー冒頭から大塚選手にがっつり心を掴まれてしまった。

余談:このいい話の途中、辻選手の声が入り込んでインタビューが中断されてしまう。それを大塚選手が笑顔で対処するシーンはぜひノーカット版をご覧ください!

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富山から移籍した理由に迫るシーンもとても印象的だ。前所属クラブの富山グラウジーズでは看板選手だったと理解していた。富山に残る選択肢もあったはずだが、川崎を選んだ一番の理由とは。

選手だけではなくクラブで見たときに、優勝に向けて貪欲なクラブに環境を変えたかった。バスケットだけじゃない、組織として優勝に向かわないとできないので。プレイタイムは減ること覚悟で、優勝したいという自分の中での優先順位で決めました。

スポーツでの勝利は、選手とHCを中心にチームの力で成し遂げてるとは思うが、こと”リーグ優勝”になるとそれとは違うということなんだろう。クラブ運営側もモチベーションが高くないと優勝はつかめない。そこがたくさんのクラブを見てきた大塚選手の優勝へのひとつの解釈。だとすると川崎のクラブとしての強さはどこにあるのか。

いろいろなところに力を入れてくれてる。選手の価値も分かってくれてるし、クラブの名前も上がってきている。すごいいい状態だと思っている。自分がプレーヤーじゃなくても、もしサラリーマンだったとしても一緒に戦いたいと思えるクラブですね。

率直にこんな発言をする選手がいることに驚いた。動画内、大塚選手の横で聞いてたスタッフの驚きを隠せない声を拾っているのだが、それを横目でチラッと見て笑う大塚選手とクラブとの関係性の良さも感じられた。

プレーヤーとコーチの間の役割

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アスリートであれば、誰しもキャリアが終わる時がやってくる。その感情をこんなにはっきり伝えてくれるのは大塚選手らしさを感じた。聞いてるほうにドキッとさせる時間すら与えない潔さがあった。

優勝するまでの時間がないという怖さはあります。もし優勝できなかったにしろ、チャレンジしないでキャリアを終えるのは嫌だった。年齢やコンディションを逆算していったときに勝負どきだった。

キャリアの終わりを意識している大塚選手だが、今シーズンはまだ理想のパフォーマンスが出せていないところに課題は感じていた。またチームもレギュレーションの変更もあり、苦戦を強いられる試合も少なくない。それを払拭するために、自分から思い切ってシュートに絡んだプレーで先導していきたい、雰囲気を変えるのは自分でありたい―と、自身よりチームのブレイクスルーの方法を考えているのはさすがのベテランの発言だ。

またチーム内での役割に関しても「プレーヤーとコーチの間」と表現していた。これは佐藤HCへのインタビューでも同様のことを評価としてあげていた。バスケの試合中は時間との勝負や、流れが大きく影響するため、コーチがひとりの選手へ指示できる時間は限りなく少ない。
日本人の最年長ということだけではなく、多くのHCと共にした時間で培ってきた、大塚選手だからこそ担えるポジションなのかもしれない。次回の試合では大塚選手のプレーはもちろん、チームにかけている”プレーヤーとコーチの間”の声にも注目したい。

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最後に。動画を見てもらえればわかるのだが、最終的に一番最初のファンからの質問がインタビューの核となっていたように思う。そしてファンが聞きたかった移籍のことやクラブ全体のことに時間を使って十分に話してくれる、大塚選手の真摯な対応に心地よさが感じられる動画だった。

私はこのインタビューを見ただけで「大塚裕土と働きたい」と思ってしまった。バスケのスキルだけじゃない人としての魅力。多数のクラブから声がかかる理由がわかった気がした。


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写真提供:BTalks


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