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【読書感想文】2013年の本だけど、新社会人に読んでほしい。『全面改訂 超簡単 お金の運用術』

山崎元さんが2013年に出版された『全面改訂 超簡単 お金の運用術』を読みました。

山崎元さんといえば、経済評論家としてさまざまなメディアに出演されたり、数々の書籍を発表したりしている著名な方。

私が資産運用を始めようと思ったきっかけの本『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』や、今年3月に最新版が出た『ほったらかし投資術』(水瀬ケンイチさんとの共著)などを執筆されています。



本書はそんな山崎さんの教えの基礎が詰まったような1冊。

『難しいことはわかりませんが〜』や全面改訂版の『ほったらかし投資術』を先に読んでいた身としてはすでに知っていることも多かったのですが、それでも「え、そうだったの?!」「なるほど・・・!」と思えることがたくさんありました。

たとえば以下の3つ。

①株式投資はインフレ初期に大きな利益になり、その後の下落をカバーできるくらい儲かる可能性はある。しかしいつまでもインフレの昂進に付き合って投資をしているとやがて損をするかもしれない

②日本の財政赤字は「日本人が日本人から借りて、日本国内に支出しているお金」。国家破綻が起きるのは国債の消化を大きく外国に依存するときである

③保険はお金の自由度を下げるもの。お金を受け取れる状況を制約している。

この3つが、読んでいて特に「おもしろいなぁ」と思うところでした。

●株式投資はインフレヘッジになるのか?

①株式投資はインフレ初期に大きな利益になり、その後の下落をカバーできるくらい儲かる可能性はある。しかしいつまでもインフレの昂進に付き合って投資をしているとやがて損をするかもしれない

私は(別のnoteにも書いたんですが)「インフレ対策をしたいなら投資を始めよう!」という言葉を信じてつみたてNISAを始めた人間なので、正直この部分に関しては「えー!?投資ってインフレヘッジにならないこともあるのー!?」って感じでした笑。

まぁ「投資はインフレヘッジにならない!」と断言しているわけでは決してなく、

●インフレ初期:金融政策が緩和&実質金利が下がっている状態で、実質成長率がアップする→株価がアップし株式投資は儲かる

●インフレがある程度進んだ時:金融政策の引き締めがスタート。実質金利が上がり実質成長率は低下、株式投資は損失になることも(ちょうど現在・2022年5月のアメリカみたいな感じでしょうか?)

ということらしいです。

なるほど・・・てっきり投資はインフレのどの場面でもヘッジになるもんだと思っていました。

自分の足元を見直すというか、「そもそも本当に〇〇って××なの?」というのを見直すことは大事ですね。学びました。

●日本の財政赤字は日本人が日本人から借りているお金

②日本の財政赤字は「日本人が日本人から借りて、日本国内に支出しているお金」。国家破綻が起きるのは国債の消化を大きく外国に依存するときである

こちらについても「日本の借金は1秒に●万円増えている」みたいな話をよく聞きますし、「いつかは破綻するから海外移住を考えておいた方がいい」みたいなことを言う人もいるよなぁって思ってました。

そしてそれになんとなく不安を感じておりました(振り回されやすい性格だな・・・)。

でも確かに日本の借金=国債って主に日本の銀行が買っていますし(参考:https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf)、国内で自給自足できていると言える気がします(全国民の資産を合わせれば借金の金額を上回るともいいますしね)。

本の中にある日本の財政赤字をサザエさんで例えるところがめちゃくちゃわかりやすかったので、気になる方はぜひ読んでみてほしいです。

●保険はお金の自由度を下げる

③保険はお金の自由度を下げるもの。お金を受け取れる状況を制約している。

これは単純にいい表現だなぁと思いました。

というか、自分が保険を毛嫌いする理由がもうこの表現に詰まっているなと感じました。

お金は現金・株などの資産として保有していれば、必要な時に必要な分だけ使えますが、保険になると保険会社が決めた状況下でしか下ろせないし、使えない。

自分が自分のためにお金を出しているのに、使用条件が他人に決められているっていうのが嫌で嫌で仕方がなかったんですね。

改めて「保険は最小限でいい」と思いました。

●この本を新社会人に読んでほしい理由

『超簡単 お金の運用術』というタイトルから「資産運用に興味がある人だけが読むべき本なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

上にあげた保険の話のほか、

  • 小さくても借金は避ける

  • 外貨預金は使わない

  • 人的資本を大切にする

  • 老後でも働ける環境づくりをする(昨今のFIREブームとは真逆かもしれませんが・・・)

などなど、これからの人生で役立つ知識や考え方が豊富だからです。

とくに新社会人の方がこの本を読んだら、余計なお金を払わずに済むし、将来が楽しくなるような働き方を見つけることができるのではと勝手に思っています。

資産運用だけではなく、お金との付き合い方、お金を取り巻く人たちの内情について知れるので、世界の見方が変わるはずです。

初めて金融系の本を読むという方にはちょっと難しい1冊かもしれませんが、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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