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-相手をずらして刺す-【清水エスパルス vs 湘南ベルマーレ】 マッチレビュー J1 第11節 25.Apr.21

こんにちは、El Gran Equipoです。

ちょっとバタバタしており、もう少しで諦めてしまうところでしたが、、力を振り絞って、第11節湘南ベルマーレ戦の振り返りを行いたいと思います。

ロティーナさんの戦術が浸透しつつあり、攻守で相手をコントロールする時間を増やしているエスパルス。
今節は前線からのプレッシングを武器に手堅く戦う湘南が相手となりました。
まずは、残留を確実なものにすべく、叩いておきたい相手でしたが、よりによってウェリントンに決められ、またも勝ち点3を逃す結果となりました。

しかしながら、攻撃面では、湘南のプレッシングを空転させ、相手の嫌がるスペースを何度も使い、決定機を何度も作り出していました。守備面でも失点の場面を除き、自分たちの陣形を崩すことなく守ることが出来ていたと思います。

それではいってみましょう!

1.スタメン

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前節から同じメンバーで臨んだエスパルス。徐々にメンバーが固定されてきているのかもしれません。ここにケガからの回復組、そしてルヴァン杯でデビューを果たしたウィリアンが加入するとなると期待が膨らみます。

対する湘南は、前節から高橋、町野に代わり、小林、石原が入りました。
相手にすると厄介な石原でしたが、前半早々の負傷で町野に交代を余儀なくされてしまったのは残念でした。

2.相手をつり出して、剥がす

前節にも増して、相手の背後を突き、ビルドアップからの前進を成功させたエスパルス。そこには、相手のプレッシングにおける構造を逆手にとったロティーナさんの対策が見え隠れしていました。

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湘南は、エスパルスが後方からの繋ぎを始めると、中央に入った宮本を背中で消しながら、ツートップがCBへアプローチをかけてきます。
そして、パスがSBへ出たところでインテリオールがグッとプレスをかけ、WBもそれに連動してサイドハーフへのパスコースを消すことで、攻撃に制限をかける狙いを持っています。

これに対して、エスパルスは右サイドの選手の立ち位置で優位性を作り、プレスを何度も攻略することが出来ていました。

一つ目の立ち位置は、高い位置で幅を取った中山。高い位置を取ることで、相手のWBをピン止めし、相手の5バックを押し下げると、これにより空いた青色のスペースを河井が上手く使い、エウシーニョへの湘南 山田のプレスを空転させました。

また、この試合では、湘南の中盤3枚それぞれの距離が離れていることも多く、ボールサイドへのスライドが間に合っていない場面が多くありました。

特に上図のように、唯人が湘南のアンカー 田中をつり出した際、内側に絞らないといけない湘南 名古のスライドが遅いため、何度もエウシーニョからチアゴへのパスルートが生み出されることになりました。

湘南 山田をつり出し、その背後の中盤のずれを上手く突くことで攻撃を優位に組立てることが出来、試合を優位に進めることが出来ました。

また、狙いは右サイドにあったように思いますが、右が詰まった場合にはすぐにボールを下げ、一度左サイドを使った後に、再び右サイドからの崩しを狙う等、相手を動かしながら狙いどころをついていくという臨機応変な対応も見られ、チームの進化を感じました。

3.仕留めはバイタルエリアで

ビルドアップは相手の前がかりな重心を使い、うまく行うことが出来たエスパルス。
シュートチャンスを作り出すための崩しの局面でもポイントは相手中盤3枚の脇だったように思います。

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この局面でも構造は基本的に同じで、エウシーニョに湘南 山田が出た際に、名古の内側へのスライドが遅れ、空いてしまったスペース(バイタルエリア)を、西澤、鈴木、チアゴが使うことが狙いとして置かれていたように思います。

湘南の最終ラインからすれば、対応の難しい場所に何度もボールを入れられることになり、後手後手の対応を強いられることになりました。

チアゴの得点の場面も、中村からの素晴らしいサイドチェンジのパスがエウシーニョに届いたことで、相手中盤3枚のスライドの遅れを突くことが出来ていた、ある意味狙い通りの得点だったのかもしれません。

4.湘南の狙いと整理されたエスパルスのブロック

守備面についても少し触れたいと思います。エスパルスはこれまでと同様に、相手のビルドアップ部隊 3枚(今回は3バック)に対して、チアゴ、鈴木+サイドハーフ1枚でプレスをかけることを狙っていました。

これに対して、特に序盤の湘南は長いボールをFWやサイドに入れる形を取り、プレッシングを回避する形を作ろうとしていたように思います。

そして、湘南の攻撃が特徴的だったのは、サイドに人数をかけ、ペナルティエリアの角への侵入を狙っていたこと。

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図が少しごちゃごちゃしていますが、湘南がボールを保持した際には、CBも攻撃に参加し、サイドで数的優位を作り出します。

そしてパス交換の中で、青色のエリアを取り、クロスからの得点を狙っているように思いました。この青いエリアから最終ラインとGKの間にクロスを入れられると、守備側は身体をゴール方向を向いているため非常に対応が難しくなります。

しかし、この狙いに対しても、エスパルスはそれぞれの選手が、隙になり得るスペースを空けることなく立つことで、相手の侵入を許しませんでした。

湘南 CBが攻撃参加することで、エスパルスは一時的に数的不利になるのですが、宮本が背後へのパスコースを消しながら、アプローチし、宮本が空けたスペースは河井、中山がスライドすることで埋めることで、強固なブロックを形成しました。

この試合では、ボールは持たれても、適切な位置に立っていればゴールは割られないというような落ち着きが感じられていただけに、最後に力づくのような形でやられてしまったのは残念でした。

しかし、守備面での連携や固さは試合を追うごとに進化していると感じました。

5.残留争いはいやだ、ただ結果はついてくるはず

非常に良い形で試合を進め、先制点を取ったまでは良かったものの、またも終盤の失点に泣いたエスパルス。
先制後も決定的なチャンスが何度もあり、1点決まっていれば試合を終わらせることが出来ていたと思います。
これで4月のリーグ戦は勝ちなし。気づけば順位は16位。。そろそろ勝ちたいですね。

ただ、攻守両面で相手の狙いに対してきちんと対策し、準備し、試合で実行するという流れは出来つつあるように思います。

次節の大分、そしてその次の横浜FCと必ずしも調子のよいわけではないチームとの試合が続きますが、必ずここは叩いておきたいところです。

次節の大分は、今節と同じ3バックを基調としていますが、中盤以降の構成が異なり、またやり方が違うことが予想されます。
苦戦していますが、片野坂さんとロティーナさんの戦術面での戦いも注目の一戦。ホームで、とは言わない。アウェイでも良いから、連勝の5月をこの試合から始めてほしいです!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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