見出し画像

住宅設計者の「家と子育て」 5 タタミがあれば大丈夫

最近、設計していても畳の部屋が求められることはかなり少なくなりましたが、我が家では以前から畳は無くてはならない存在です。

今までは夏はサラッとしていて、冬はヒヤッとしなくて、傷んでも交換が簡単というのが主な理由でしたが、今では防振効果と吸音効果にも助けられています。

元々LDKの続き間として和室があるのですが、友人の子(3歳)が遊びに来た時におもちゃを投げまくるのを見てリビングスペースにも敷畳を敷くことにしました。

そもそも部屋全体がLL45対応のクッション付きフローリングなので、下階への軽量音についてはそれほど心配する必要もないのですが、重量音に対してはあまり効果はないので、なるべく衝撃は吸収しておきたいところです。

息子は寝たまま自分の踵を床に打ち付けるのが好みなようで、畳があるとないのでは大きな違いがあります。

衝撃吸収以外でも、畳は藁床でもスタイロ芯でも500Hzから1kHzあたりの吸音がよく、泣き声や叫び声も程よくマイルドにしてくれます。

また、オムツ替えのときなど畳に直接置いてもまあまあ柔らかいのでフローリングに直置きに比べて心理的罪悪感が軽減されます。

デメリットとしてよく言われるのはダニがわきやすいというのがあり、布団敷きっぱなしとか北の湿気の多い部屋とかで使っているとダニの温床になる可能性は高いと思いますが、南西に面したリビングとしていた部屋で藁床の畳を11年使ってましたが特にダニの被害にあったことはありませんので、現代の住まいではそれほど心配はいらないように思います。

また、水気のものをこぼしても、ある程度は撥水するのですぐ拭けば被害は限られますが、知らぬ間によだれが滝のように流れていることがあるので、これはある程度染み込んでも仕方ない部分です。

ですが、何と言っても交換が簡単なので汚れに対しても鷹揚な気持ちでいられます。

最近では座ったりつかまり立ちも始まってますが、転んだときもフローリングに頭をぶつけるよりはだいぶマシな感じがします。
今後もきっと畳は何かから救ってくれるような気がします。

※ちなみに、一般的な畳よりさらに防音効果の高い防音畳というのも出ていますので、少々お値段は張りますが集合住宅で下の階への音の心配を減らしたい方はそちらもご検討ください。

※この記事は2017年に自社ブログに書いた内容に加筆訂正したものです

・お知らせ
このしばらく後に家を建てる事になり、設計経緯をまとめたマガジンです。
これから家を持とうと考える方の何らかのヒントになるかと思います。

また、建築の楽しみ方なども書いてます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?