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朝日新聞「フェミニズム『感じよく』存在感」について私的解説③ーポピュラーミソジニー

3回目のキーワードは、「ポピュラーミソジニー」です。


記事にも説明がありますが、「ミソジニー」というのは、「女性嫌悪」という意味です。
性差別的な人の発言の中には、ちょいちょいこのミソジニーが見え隠れします。
そして、この記事で取り上げられているのは「ポピュラーミソジニー」。ポピュラーなミソジニーって怖いですね。

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1個目のキーワードであるポピュラーミソジニーと結果的に繋がる話ではありますが、「ポピュラー」の使い方が1個目とは異なる、と感じましたが、どうでしょうか?

記事の説明によると、1つ目のキーワード「ポピュラーフェミニズム」の拡がりとともに、フェミニズムへの批判的な意見も勢いを増し、SNS上で見られるようになってきた、と書かれています。
しかし「ポピュラーミソジニー」のポピュラーという言葉は、1個目のキーワード「ポピュラーフェミニズム」のポピュラーとは対照の言葉ではないですよね。
「ポピュラーフェミニズム」が、「身近な芸能人や職場の女性社員も、フェミニズムに共感を示すなんで、フェミニズムがポピュラーになったな」という状況を指してたとしても、「ポピュラーミソジニー」が「あの人、顔出し実名で女性嫌悪を表明していたね」みたいにはならないわけです。
Diorが、「We should be all feminists」というTシャツを作って「フェミニズムがポピュラーになったな」ということはあっても、「おまたせ~エ」「ギャル募集中」というTシャツを作ったBeamsは炎上し、「ミソジニーがポピュラーになったね」とはならないのです。
なので、ポピュラーミソジニーという言葉はちょっとストンと落ちてこない印象がありました。

一方で、「ジェンダー平等」が当たり前の価値として、企業社会や地域で見なされるようになると、そこで生きにくさがいきなり増大する男性たちは確かに現れると思うのです。
私もここ最近そんな男性の相談を受けたり、イベントでお会いしたりすることが出てきました(これまでは、まずなかった!)。
そういう意味では、自分のミソジニーに悩んでいる、と自覚する男性が現れてきた、ということは言えるかもしれません。
ミソジニーの見える化?惑うミソジニーの出現?という感じでしょうか。
大体が、身近な人に注意をされて、それに対して最初は言いがかりと思うのですが、だんだんと自分がおかしいのかな…、と悩むパターンが多いような気がしています。

「自分を変えたい、と思う人は、変われる」と思うのです。
大変だとは思うけれど。
そういう意味で、私は「ジェンダー平等ってなんかいいよね」というポピュラーフェミニストを増やすことと同時に、どう考えても不毛でこちらが擦り減るようなポピュラーミソジニー(新聞記事の意味のポピュラーミソジニーではなく、惑うミソジニーの方)に変わってもらうことにも最近興味があったりするのです。
実際どのくらい「自分を変えたい」と思ってるミソジニーがいるのかはわかりませんが、そういう人と話したい、と思うんです。
「ミソジニー相談」とかやろうかな。かなり自分も傷つきそうですが。


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