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e-Taxとか映画とか(日記)

相変わらずあまり外を出歩くわけにもいかない…というか出歩きたくない状況なので、日記と言っても部屋のなかで起きたことくらいしか書くことがないのですが、ここ数日のあれこれ。

確定申告を倒した

早いもので、通算10回目のe-Taxでの青色申告を終えました。毎年少しずつ便利になっていく。今年は何と言ってもスマホを介してマイナンバーカードの読み取りができるようになった点が大きく変わった。去年までは、ICカードリーダーライターという3,000円くらいのUSB接続の読み取り機器(上写真)をなぜか自前で用意する必要があったのだ…! その前はブラウザーにはInternet Explorerしか使えなかったし、マイナンバーカード以前は専用の電子証明書を数年ごとに役所に発行してもらうとかいう石器時代だった。ようやく鉄器か青銅器が発明されたくらいには便利になったという感じです。

とはいえまあ、e-Tax自体は流れさえ分かっていれば難しいことはなくて、会計ソフトで出力できる決算書と貸借対照表の数字を、同じフォーマットの画面に書き写すだけなので、すぐ終わるのです。その前の経費の入力や帳簿の整理が面倒くさいだけなので…。これはもう毎年、心を無にして、好きな音楽でもかけながらポチポチと入力作業をするしかない。やれば終わる。

しかし、10年やってるけどいまだにこれで合ってるのかよく分からないから、別に誰かに教えられるわけでもないという。税務署に怒られたことがないだけで、ああたぶん今年も大丈夫だったんだろうな、みたいな。同業者では税理士さんに丸投げしている人も多いみたいだけど、うちくらいの事業規模では全然必要性を感じないのですよね。この時期だけ頑張って会計ソフトと戦えばいいんじゃんと思っている。

フリーになって最初の年だけは物理的に税務署に提出に行ったものだけど、行列がご老人の方ばかりで驚いたのを覚えています。考えてみれば、街の小さな商店をやってるお爺ちゃんも確定申告しているのだ。みんな頑張ってるなら自分も頑張るか…となるし、『マルサの女』を観てからはもっと頑張ろうと思った(なみなみ注いだコップを持ちながら)。

『羅小黒戦記』を観た

以前から友人間で評判が良く、気になっていた中国の劇場用アニメ『羅小黒(ロシャオヘイ)戦記』をプライムの有料レンタルで観ました。いや~びっくりした。良かった。好きな絵柄のキャラが超絶手描き作画でぐりぐり動く、西の『スパイダーバース』、東の『プロメア』と並ぶ、アニメ表現において純粋にめちゃくちゃハイレベルな作品だったのでした。

「戦記」というから、もっと時代ものっぽい血生臭いお話かと思いきや全然そんなことはない、むしろジブリみたいなモダンなライトファンタジーと、ドラゴンボールみたいな能力バトルと、あと(なぜか)あずまきよひこ節の『あずまんが大王』『よつばと!』タッチの日常描写を、中華鍋に入れて混ぜ混ぜしたらできましたみたいな作品でした。驚くのが、それらのエッセンスが借り物の表現ではなく、完全に消化(昇華)されてオリジナルな表現に結実しているところです。筋の通った作家性を感じたし、とても爽やかで優しい物語になっている。

あれこれ感想やレビューの類を探して読んでいたらこのあたりや、

またこのあたりのインタビュー分析記事で理解が深まりました。

能力や属性といった要素には少なからずゲームっぽいというか、今様の記号性を感じてしまうのだけど、それ以外の大枠の作品テーマ、例えばシャオヘイの成長を見守る大人たち、都市と自然の関係性といった点には普遍的なドラマがあるし、それらを説明くさくない削ぎ落としたセリフに集約した脚本も良かった。そして多く語らずともキャラクターがみんな生き生きと動いて、魅力的だった。レンタル中に2周したけどまだ全然観れるな。

『ドント・ルック・アップ』を観た

別の週末には、Netflixで話題の映画『ドント・ルック・アップ』も観た。これもまたパンチがあった。こんな人類はもう滅ぼすしかない!

もう本当に最初から最後まで、主人公たちに立ちはだかる愚かなキャラクターが愚かに振舞うのをずっと見ていなくてはならないので、エンタメで観たい話では全然ないんですよ。スマートな人たちが難問をビシバシ解決する、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』みたいな話の完全に真逆のやつです。笑うところはたくさんある。

本作を最後まで観たあと、心底「ああフィクションで良かった」と思うんだけど、よく考えるとこれ別に全然フィクションじゃない。なんなら、ここで起きていることの9割くらいはここ何年かの間に現実にわれわれの身の回りに起きたことなのだ。リアルタイムの寓話なのだ。娯楽作品に対してこのスピード感でこのレイヤーの批評性を持たせられるのが心底アメリカのすごいところですね。悲しいことに、批評したからといって問題が解決するわけではないんだけど、われわれ自身の愚かさを認識するのが第一歩だからね…。

「VOICEPEAK」すごくない?

先週、DTMステーション藤本さんの記事で話題になったAHS社の新しい音声読み上げソフト「VOICEPEAK」のデモを試したらヤバかった。

パッと聞いて明らかにネクストレベルの「人間らしさ」! わたしがソフトを買っても特に用途は思いつかないけど、技術がこんなところまで来ていると知ればそれだけで買いたくなってしまう。3月11日発売で、4月末まではダウンロード版税込15,800円なのだとか。

でこれ、興味があって開発・販売元のAHSさんの配信番組(AHS公式生放送第177回 - YouTube)を見ていたら、開発秘話がもっと面白かった。なんでも、VoicepeakのAI音声合成エンジンは、同社のSynthesizer Vという歌声音声合成ソフトを開発した中国から来た20代の天才エンジニア(しかもなんと日本語ネイティブ話者ではない!)が一人で作ったのだとか。元々読み上げソフトの開発には興味があって、去年のある段階で「喋るようになったかも」くらいのノリで試作版が完成し、今年8月の発売予定を繰り上げてトントン拍子で出すことになったのだそう。

このエンジニア、Dreamtonics社カンルさんへのインタビューもDTMステーションにあって、とっても面白かった。マジの天才というのはいるものだ。

不破くんの逆凸良かったね

今週末は確定申告の作業を進めながら、にじさんじの不破くんのチャンネル登録者数50万人記念の逆凸企画を聴いていた。

逆凸というのはいわゆる凸待ち(連絡先を知っている他の配信者さんからの通話を配信中に生で受ける企画)の逆で、知り合いのライバーさんにアポ無し通話をかけてお喋りする企画ですね。といっても、この手の凸は事前に出演交渉をしておくのが通例らしく、今回はどうもそれすらすっ飛ばした、ガチのやりとりが朝まで11時間も続いたのが聴きどころでした。

不破湊さんというバーチャルライバーのおもろいところは、どこまでが「素」なのやら、一見軽薄そうで実は真面目なもてなし上手というホストキャラの役どころを100%生かしている点。気配りの細やかさでもって相手を笑顔にさせるという、正しくホストの才能を持っている。それは今回の、彼のデビュー2年余りで初の逆凸企画にも表れていた。音声を乗せるタイミングへの配慮から、立ち絵の出しかた、何より初絡みの相手でも気持ちよく喋ってもらうための距離の縮めかたが、にじライバーの中でも不破くんにしかできないムーブでずっと楽しかった。

にじさんじ興味ないといまいちピンと来ないかもしれないけど、例えばじゃあ、あなたの好きな映画・漫画・ゲーム何でもいいので、その作品に出ている一人が配信してると思ってくださいよ。その子が、作中のほかのキャラ50人に急に電話してお喋りしている感じのやつですよ。そういうやつです。でまた、電話に出る人もそれぞれに部屋でくつろいでいたり、外にいたり、仕事していたりするから、そんな咄嗟の素の部分がね。

ROF-MAOですっかり打ち解けたメンバーとの掛け合いも良かったし、逆にずっとよそよそしい夜王国の巴さんとグウェルとのサシ通話も楽しかった。押したら引いてくアンジュも、世代が近いのか妙に波長の合うレオスも、すごい時間に起きてる委員長やギル様もさすがだった。

でもやっぱ不破くんとロアちゃんとのコラボが好きだったから、いつかまたこの2人の掛け合いが聞ける日が来るといいよね。待ってます。


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