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シンセもサブスクの時代(非日常日記7/18)

趣味も仕事も余暇も創作も、寝食を除くほとんどのことがパソコンを中心とした半径1m以内で済んでしまう性分。なので、自宅から外に出ないのは全然苦ではなく、感染拡大防止策がステイホームとあってはむしろ望むところなんだけど、それでも…こうも人に会わない生活を送っていると、なんというか、人生が停滞しているような気分になるものです。

十代のころなんかは高2病をこじらせてしまって、誰ともコミュニケーションを取らずに山奥で仙人のような暮らしをしてみたいと思ったものですが、結局のところ、人に会うというのはインプット=外部刺激の最たるもので、誰かに会わないと何につけても成長イベントが発生しないんだなあというのが、この半年でぼんやり分かってきたことです。

例えば、友達に会えば次にどこそこへ行こうだとか、音楽仲間に会えば次にこんなライブがあるとか、マンガの仲間に会えばこんなイベントでこんな本作ろうとか、連鎖的に予定が立っていくもので、そうした近い未来に何か新しいことが起こる"予感"のようなものがぐっと減ってしまった。これもまた、本来であれば別にオンラインでも成立しうることなのかもしれないけれど、そもそものイベントごとが封じられている状況ではね、みたいな感じ。

停滞している雰囲気をなんとかしたくて、新しいことを始めてみたりもしています。そのひとつがPCでの音楽づくりを再開したこと。昔馴染みのTracktionの延長でWaveform Proを買いまして、このDAWはマルチトラックのオーディオ編集ソフトとしてはめちゃくちゃ優秀なんだけど、触っていくうちにもっと最速でビートメイキングしたくなって、Ableton Live 10のトライアルを始めました。

Live、進化しすぎていてまったく分からなくなっていましたね。フル機能版が90日間使えるとあって使い始めたら、180日に延長しましたみたいなお知らせが来て、半年あったら未経験からアルバム制作まで行けるんじゃない? くらいの。今ようやくワークフローが掴めてきたようなところで、新しいインストゥルメントやエフェクトを把握するにはまだ当分かかりそう。

5月、ローランドのZENOLOGY(ゼノロジー)というソフトウェアシンセサイザーが発表されたので、これも試しています。

これはどういうものかというと、Roland Cloudというローランドのサブスクリプションサービスに契約することで、Freeまたは月額2.99ドルのCoreプランならある程度のパラメータがエディット可能なプリセットシンセとして、月額9.99ドルのCoreプラン以上なら歴代の名機をエミュレートしたエキスパンションを含めたフルエディット可能なVSTシンセとして使えるというもので、いよいよシンセサイザーもサブスクの時代なんだなという感じです。

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さすがに音がめちゃくちゃに良く、MIDIキーボードで遊んでいるだけで無限に時間が溶けてしまう。わたしはとりあえずFreeでお試ししてみて、良かったのでCoreプランに入っているけれど、3,000音色のライブラリとして月300円は全然安いと感じる。

シンセといえば、これもTracktionのお試しで触ってみたグラニュラーシンセSpaceCraftが気に入ったので購入しました。

現役の宇宙工学エンジニアであるというMark Watt氏が趣味で開発したiOSアプリのVST版。読み込んだ波形を極小単位に分割ループしてモジュレーションをかけるグラニュラーシンセシスを、初心者にもわかりやすい、でも大胆なUIで実装したシンセで、とにかく鳴らしていて楽しい、オーディオソース次第で無限にアトモスフェリックなドローン持続音が作り出せるところが好きになった。偶然から生まれるフレーズがたくさんありそう。

こうしてあれもこれもと手を伸ばしていくと、Liveのオペレーションに特化したLaunchkey MK3みたいなMIDIキーボードも欲しくなるし、そもそも不調のオーディオインターフェイスも買い替えたくなるし、今のところそんなにないと思っていたはず物欲も湧いてくるものだなあと思います。

ぼんやりしていると本当、ただただ何も起こらないまま時間だけ過ぎ去ってしまうので、せめてイベントを発生させるためのフラグのようなものは自分から立てていきたい。でもまあ、焦るようなことでもないから、興味を持ったものに対しては着手のハードルを下げていきたいな、くらいの心境です。

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