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【ゲーム】GRAVITY DAZE

PS4『GRAVITY DAZE』(2015)をクリアしました。日々ちょっとずつ遊んで2週間くらい。そんなにボリュームのあるゲームではないので、まとめて進めたら数日で終わるはず。めちゃめちゃ面白かったです。もともとValue Selectionとして廉価版が出ている作品ですが、今ちょうどセール対象になっていてそこから更に40%オフとかなので、この冬新たにPS4を手に入れた方には早めにお薦めしておきたい。1月8日まで!

もとは2012年にPS Vita向けにリリースされた作品の、いわばHDリマスター。全21話からなるストーリーミッション、いくつかのチャレンジミッションに加えて、Vita版でDLCとして提供された3種類のサイドミッションとデジタル設定資料集全部入りの内容です。

「空に向かって落ちる」

ざっくり言うと、スチームパンク風の西洋ファンタジー世界を舞台にした、三人称のオープンワールド系アクションゲーム。アクションとしてはさほど難しい部類ではなく、どちらかというと簡単操作による爽快感と、探索要素に焦点を絞った作品と言えると思います。

で、このゲームの肝がR1ボタンを使った「重力アクション」。主人公キトゥンは「重力猫」の力を借りて重力を操ることができ、R1を押すことで空中に静止、もう一度押すと画面中央のマーカーに向かって落下していきます。つまり、カメラを空に向けている状態でこの操作を行うと、キトゥンが「空に向かって落ちていく」ということ。

オープンワールド系アスレチックものとしては、古くは『スーパーマリオ64』から『ゼルダBotW』までいろいろありますが、この常識はずれの重力アクションによって、キトゥンは初期状態で街の隅々まで文字通り飛んでいける。この独特の操作に慣れるまでのもどかしさと、馴染んできたときに感じるスピード感は『ソニックアドベンチャー』なんかも思い出します。

緑のゲージが体力、青の円形ゲージが重力アクションに必要なパワー。基本的にどんなに高いところから落ちても落下ダメージはなく、猫のように着地してくれる。初めのうちは重力パワーもそれほど多くなく、浮遊していられる時間にも制限があるけれど、街のあちこちにある「プレシャスジェム」を集めることで徐々にスキルを伸ばしていくことができる。最終的には、短い自由落下の最中に重力パワーが回復するので、延々と空中を飛び回っていられるようになる。

これ、すごく独特な操作で、特に右スティックとコントローラーの傾きセンサーを使ったカメラの操作が難しく、初めのうちは慣れるまでに時間がかかりました。ただ、飛行中に左スティックで微妙にコース変更ができたり、地面を滑るような「重力スライド」などの他のアクションとの組み合わせが分かるようになってくると、俄然操作がおもしろくなる。単にマップ上を移動しているだけで異様に楽しいのだ。

巨大構造物と鉄骨と配管

その魅力を増幅してくれているのが、多層的に複雑化した都市のマップ。とにかく高低差が激しく、しかも上層と下層で人々の暮らしぶりがダイナミックに変化する様子が観察できる。『ニンジャスレイヤー』でいうキョートの地下都市「アンダーガイオン」みたいな感じ。

そして巨大構造物たるいびつな都市を支える、鉄骨や配管に対する狂気じみたフェティシズムをめちゃくちゃ感じる。『天空の城ラピュタ』の探索パートみたいな、もっというとダム見学とか好きな人は絶対ハマる。

そんなとこまで行けるの…みたいなところまで行ける。遠くの風景はもやがかかったようにおぼろげで、美しいフォグ効果を使ったシルエット表現になっていたりするんだけど、マップ間のロードもなくどこまでも行ける。でまた、そういったところにはプレシャスジェムや隠れキャラクターがちゃんと配置されていたりするので、探索していくうちに自然と操作に慣れることができるような設計になっています。

ちなみにPS4版にはギャラリーモードがあり、設定資料をつぶさに見て回ることもできる。このゲームのもうひとつの主人公はこの空中都市「ヘキサヴィル」のマップそのものであることは間違いなく、重力アクションと背景アートワークという2つの要素が完全に噛み合っているのが最大の魅力です。

謎めいたストーリー

メインストーリーはどうかというと、これは演出がおもしろくて、フランスのバンド・デシネだったり、あるいはアメコミを参考にしたと思われる2Dコミックパートが各話ふんだんに挿入されます。そして漫画からシームレスに3Dゲームパートに遷移したりして、テンポが途切れずにお話がどんどん進む。

ただ、シナリオやストーリーテリングとしては表現不足の部分も多々あって、この『1』がキトゥンを主人公とするお話の二部作の前編であることを差し引いても、かなりふわっとしている。シチュエーションを先行するあまり、謎が謎のまま先に進んで特に回収もされないので、これはなんか今のところ、雰囲気を味わうものなのかなみたいなところもあります。

確かに、バックグラウンドには魅力的な設定が多い。少なくともそういった要素を匂わせている。ヘキサヴィルを支える「世界の柱」…その上層と下層で時間の流れかたが違うというような、相対性理論をベースにした重力と時間に関する設定の示唆も垣間見えたりして。重力を操るとはどういうことなのか、赤い目玉を持つエネミー「ネヴィ」とはどういう存在なのか、みたいなことがこの先『2』で明かされるのか明かされないのか。

キトゥンがカワイイ

でもまあ、それにつけてもキトゥンちゃんがカワイイのだ。記憶を失った少女であるキトゥンは、街のなかに居てもどこか奇異な目で見られ、仕方なく旧市街最下層の「土管の家」に住んでいる。ところが、ひとたびなにかあれば土管を飛び出し、上層に向かって落下して行き、敵をやっつけるなどして徐々に街の人々との信頼関係を築いていく。そのなかで彼女が喜怒哀楽をストレートに表現し、表情をコロコロ変えるのがカワイイ。

ちょっとしたしぐさのモーションも、ヒロイン然としているというよりかは、自然体の少女らしい大胆さ、ガサツさがにじむアニメーションですごくいいのです。

勢い余ってfigmaも買っちゃったことはこちらの記事に書いたとおり。

これのためにPS4買う…まである

というか逆にわたしはなんでこんな完全に層のゲーム、いままでノータッチで来られたのか。Vita持っていたころ体験版を遊んだ記憶はあるのになあ…。おかげで年末年始、GRAVITY DAZEに忙しくてPSVRをまったく触っていません。しかもこれが終わったらすぐさま『2』が遊べるという幸せ!

そう、PlayStation Plusに入っているなら、12月のフリープレイに『GRAVITY DAZE 2』が入っているので、ダウンロード期間が終了する1月8日までに入手しておくことをおすすめします。

チャレンジミッションはひと通り遊び尽くしたけど、サイドミッションがまだいくつか残っているので、それが終わったら『2』に行こうかな。


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