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4/20. 人を思いやる

こんにちは、Epsilonです。
トップ画像は映画「ペーパームーン」のワンシーンでございます。

本格的な記事は今回が初めてになるのですが、今回はここ1週間で読んだ本を3冊ほど紹介していきたいと思います。

一冊目は数学者、岡潔のエッセイ、『春宵十話』です。数学者として大きなことを成し遂げた筆者が、人間、特に人の教育へ熱く語ってくださる一冊になっております。人を思いやる心(筆者は情操と定義しています)を育てなければ、学問の悟りへは至ることができないという筆者の主張は目を見張るものがあります。何より興味深いのは、その情操はイメージとしては”懐かしい”という感情に近いというところでした。子供の時に美しい自然にふれあい、他人を気遣う心を周囲の人から教わった筆者は、その思いやりの心と日本人特有の郷愁、もののあわれにもにた感覚を大事にしていたことが文章からありありと伝わってきます。

私としても、できるだけ自分に「自分を取り巻くものや人に思いやることができているか」という矢印を向けていたのですが、時折その疑問を忘れることがあります。人を思いやる心を持つことで、細部にまで目がいき、仕事でも人間関係でも何事においても美しくしていくことができる。そんな自分の考えが少し補われたような気がして非常に有り難い一冊でした。



二冊目は演出家、河毛俊作氏の『一枚の白いシャツ〜男、45歳からの服装術』になります。この本は題名からもわかるように洋服への造詣が深かった筆者が記した服飾エッセイになります。

45歳以上の男性が揃えるべきワードローブはどのようなものなのか。ダンディズムとは何なのか。そのような問いに対する筆者の答えが力強く記されております。筆者の基本となるスタイルはおそらくアメトラなのですが、その中でもヨーロピアンの持つ上品さが紹介されるアイテムの中からも溢れ出てきており、私としても購買意欲が促されるものばかりでした。

「男の色気は35歳以上から現れ、それはさまざまな修羅場や人生経験を積んでいかなければ出てこない。」「年長者は若者の敵でなければいけない」など文脈を無視すれば現代にそぐわない強い主張をなされています。しかし、そのような部分に強く惹かれる私としては、若干20歳の身で何を言っているんだと思われるかもしれないですが、共感する部分が多かったです。そして何よりも男として歳をとっていくことが楽しみになる一冊でした。

三冊目は文化人、松山猛『松山趣味〜人生を豊かにするモノたち〜』になります。雑誌「ブルータス」の編集者、記者として活躍なされた筆者が小気味よく筆記具から宝物入れまでその思い出とともに暖かく紹介されていくという本になります。筆者の優しさや思い出がその文体からも伝わり、紅茶を啜りながら読むのには最適な一冊でした。

ものを持つことの喜びを二冊目と三冊目で存分に掻き立てられ、心の通ったものを集めたいと思うのですがどうしても大学生の懐事情に則さないのはもどかしいですね。ですがこれをお読みの皆様で、もし余裕のある方はそのような心通ったものをお持ちになる喜びを実際に感じ取っていただきたいですね。

こんな好きものnoteを読んでいただき非常に恐縮です。
今回もお読みいただきありがとうございました。

Epsilonがお送りしました!


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