老夫婦
電車で正面に座っていた老夫婦
奥さんは三島由紀夫の『来た夏』
旦那さんは『文学館を考える』という本を読みながら
ぴったりとくっついて電車に揺られていた
いいよねとあなたが言った
僕たちも将来あんな風かなと言った
嬉しかった
あなたの思い描く将来に私がいることが
一緒に歳を取りたいと思ってくれていることが
出会うまでは生きていくことが怖かったのに
今、一緒に歳を取りたいと思える人がいることが幸せだ
あなたがいるなら年老いて時が来るまで生きましょう
あなたの思い描く将来に私がいるのなら
それを叶えるためにも生きましょう
あなたの思い描く将来に私がいるのなら
私はきっと生きられるのでしょう
今は辛くて苦しくても
死にたい気持ちに苦しめられても
あなたの思い描く将来にいる私は
今よりもう少し穏やかに生きられているのでしょう
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