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菊花を使っていつもより少し華やかに

料理家、谷尻直子さんの コラム&レシピ #003

さて、今回は、菊花の後編です。後編では、重陽の節句でご紹介した菊花を使い切るおかず、「菊花とほうれん草のおひたし」「えびと豆腐の菊花あん」をご紹介します。

前回のコラムはこちら↓↓↓

料理家 谷尻直子  Tanijiri Naoko
東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。


同じ鍋で茹でるから一石二鳥、いつもより少し華やかなおひたしで秋の養生に

◎ほうれん草と菊花のおひたし

ほうれん草と菊花のおひたし

<材料 3~4人分>
ほうれん草
:1わ(塩を入れた熱湯で茹でて冷水でしめ、しっかり絞る)
菊花:2個程度(上記の熱湯を再利用し、同じく茹でて絞る)
だし汁:100cc
うすくち醤油:大さじ1/2強程度(8~10cc)
きび砂糖:小さじ1/2(または煮切りみりん 大さじ1/2強程度)
:ひとつまみ

【作り方】

  1. 茹でたほうれん草と菊花を調味しただし汁で数分浸したら完成。

  2. だしも美味しいのでいただきましょう!

*もしも面倒な場合は、市販の白だしを規定の希釈容量で使用しましょう。
*おひたしは、基本、だし汁100~150cc用意し、だし汁の1/10の量のうすくち醤油と1/10の量のみりんで調味します。(覚えやすいですね!)


だし汁の濃さによって味わいが変わるので塩を入れると引き締まるし、大人の方だけなら砂糖なしでストイックに、子どもと食べるときはきちんと味醂や砂糖を使って甘味を入れてあげるのが大切なポイント。私の息子は9歳ですが、おひたしが大好きです。子どもには、小松菜はやめて、ほうれん草にしておきましょう。小松菜はピリ辛で大人向け、ほうれん草は小松菜と似ていますが辛味がなくて子どもに受け入れやすいです。

以前、友人が「うちの子は野菜を食べてくれなくて」とこぼしていました。話を聞くと、「料理に砂糖を使わない主義だ」と言います。「料理に砂糖を使わない主義」なのは立派なチャレンジではありますが、それで子供が野菜を美味しいと認識できずに大人になってしまうと、とてもかわいそうヨ、と伝えました。

子供の頃の記憶は、私たち大人でも思い当たる節があると思いますが、とても濃厚に記憶に刻まれ、なかなか直すことは難しいものです。ですので、まず子どものうちは、苦手なものは調味を強めにするなど加減して、「ほうれん草というのは美味しいものだ」「ピーマンというのは美味しいものなのだ」と記憶させるのが一番。大人になった時に、その記憶が有効に働きます。大人になってから矯正しようとしても、なかなか難しいものですから。

だんだんと砂糖量を減らし、調味料を減らしていくのが得策じゃないかなと思います。まずは野菜を好きになってもらいましょう。未来に彼らがどこへ住んでもハッピーでいられるように、健康でいてくれるように。



えびのぷりぷりと豆腐のなめらかさを菊花のほろ苦さがひきしめる

◎えびと豆腐の菊花あん

<材料 3~4人分>
むきえび
:1パック(100~200g程度)1/3程度にカット
豆腐:1パック(300g程度)1.5cm程度にカット
だし汁:300cc程度
うすくち醤油:大さじ2弱
みりん:大さじ2
:ひとつまみ(入れる前に味をみて)
片栗粉:適量
茹でた菊花:2輪分程度(お好みで加減してください)

【作り方】

  1. 鍋にだし汁、調味料を入れて味を見たら角切り豆腐とえびを加えて片栗粉で薄くとろみをつける。

  2. 最後に茹でた菊花をばらしながら加えて一混ぜしたら完成!

  3. 面倒な場合は中華だしを湯にといたものを使って中華風にしても美味しい。その場合はぜひ、最後にごま油をひとたらしして。

*えびの量が大いに違いますが、食べる人々の胃袋の大きさで調整してくださいね。


さぁ、今月はいかがでしたか?
ぜひよかったらお試しいただき、ご自身の舌の反応と、一緒に召し上がられる方の反応を観察してみてくださいね。

谷尻直子 HITOTEMA
Photo : Kana Miyagi(HITOTEMA)
Cook : Marina Ito (HITOTEMA)

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