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月に焦がれる

水面に映る月は なにを隠すのか
冷たい水は 触れるのもためらう

おぼろげな記憶の中
大きく吸った息が広がる 夜の空で
泡になる
ぷくぷく ぷくぷく 広がって
月を包み込む

水面は 静かに透き通る
どこまでも 見渡せるように
暗闇の中で 透き通る

月の大きなため息に
ぱちん ぱちん 消えゆく泡
鏡に映る我が姿を 遥か彼方から眺め
「本当のことは ひとつだけ」と

月に焦がれる人が ここにいる

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