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魔法が解けて変化する

ユリの花のオレンジがとても綺麗。
光に当たって透けて見える花弁から、優しさと元気をもらった。月に1回届く小さなブーケの中に入っていた、自分では選ばないタイプの花。日に日に大きく開く姿を眺めていると嬉しくなる。
ささやかな気付きや自然の姿にちょこちょこ支えられて過ごしていると、ずっと昔のことを思い出す機会が増えるみたいだ。そのおかげで思いも寄らない変化が自分の中で起こっている。

一年を通じてお世話になっていた日焼け止めの使用を見直すことになった。長時間野外で過ごす時は別だけれど、昨年の夏から普段は帽子や日傘でしのぐ程度にしている。
もともと肌に合うものが限られていて、それでもちくちくと痒くなることもあり、もう限界かなと分かっていたのだけれど止められなかったことが、自分の中からさっと消え去った。きっかけは昨年の夏、家で飼っている亀の炎天下での甲羅干しを眺めていて思い出した、子供の頃家族でよく遊んだ海での楽しい時間だった。みんなで競って日焼けしていたあの頃。じりじりと肌をさすような日射しは、それはそれで気持ちのいいものだった。自分自身も環境もあの頃とは全然違うけれど、そんなに我慢して続けなければいけないことでもないのでは?と考え始めたら、魔法が解けたみたいに日焼け止めが心から離れていった。いったい何だったんだろう?という感じだった。
もちろん塗らないリスクもあるけれど、長い間無理をして続けてきたことが一つ無くなっただけで、こんなにも心が軽くなるのかと驚いている。自分にとって本当に必要なものって意外と少ないのかもしれないと、何かを探し始めた自分の姿を認めながら、また一つ歳を重ねる準備をしている。変化を楽しみたいと思う。

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