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月の踏ん張り方

強い風が吹く
流れる雲の間 今夜の月は薄い
けれど
どんなに強い風を受けても そこに

強い風が吹く
荒れる波の間 揺れる明かりは儚い
けれど
どんなに荒波を受けても そこに

自分を欺いてしまったのかもしれない
まさか そんなこと思わずにと
目をそらし 時が止まる

眠れない魚は ここに
波間に浮かぶ月は 消えそうで消えない
静かに消したい現実は 今ここに
打ちつける波が痛い

ふと気づく 波間の明かりの変化

空を見上げる

薄い月が雲を払う
強い風を受けても 抗わず くるりと
流れる雲を巻き払う
「丸くなるといい 自分を包み込むように」

月だって 魚だって 同じ
今ここに 今ここで踏ん張る

しなやかな永遠と 支えあう憧れを 携えて
一歩ずつの 道半ば

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