見出し画像

月と帽子

風に飛ばされた 帽子
私の お気に入りの帽子
何処へ飛んだか
見つからず 諦め
でも 何処へ

小さな溜息で 今日を終え
夜空で滲む月に 尋ねてみる

「あの素敵な帽子は 何処へ?」

「帽子は 誰かの頭に乗っかって
 また 風に乗って 飛んでって
 繰り返し 繰り返し
 誰のものでもない 帽子になった」

そんな風に言いたげに
月は雲に隠れていった

雲の向こう
こっそり被っているのなら
いつか その姿をと 楽しみに待つ

誰のものでもない
誰が被っても素敵な帽子は
今夜 月と共に雲隠れ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?