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【84回】読書日記(190309)

野田俊作「勇気づけの方法 アドラー心理学を語る4」(創元社、2017年)、千葉孝司「WHYとHOWでよくわかる! いじめ 困った時の指導法40」(明治図書、2019年2月)を読んだ。

いじめの本は、ちょっとしんどかった。会話例が豊富だが、そのまままねをする訳ではない。会話例から、教師の受け答えの流れが読み取ることができるはず。まずはそれをおさえたい。とりあえず、時間を置く。

次はどれを読もうか。
アドラーも、看護も、福祉も、学級経営も、授業づくりも、子ども理解も。どれもこれも、人に関わる内容であり、つながっている。

今だからこそ読んでおきたいと手にとったのは、
ダン・ロススタイン、ルース・サンタナ、吉田新一郎訳「たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する『質問づくり』」(新評論、2015年)である。

質問ができるようになるためには、質問を作るための手順を教えないといけない。
当たり前に見えて、考えていなかった視点。
30ページほど読んだが、ワクワクしている。ワクワクこそ、学び。


○彩瀬まる「暗い夜、星を数えて」(新潮文庫、2019年3月)

たまたま東北地方を旅行していた著者。常磐線新地駅にて震災に巻き込まれる。

新地駅の写真が目次に掲載されている。
曲がった跨線橋。破壊されつくされたホーム。

これは何?

北海道にいる僕は、震災当時、職員室にいた。揺れた。
同僚とともにテレビを見た。
津波。
逃げる人々。
テレビで見た現実を、未だに忘れることができない。

だが、それは第3者の目。空から見た視点。

「わからないのよ。みんな、自分の身に降りかからないと、わからないのよ」(p141)

著者の避難に協力した、ショウコさんの言葉が頭に残る。

昨年9月。北海道全域ブラックアウト。
それから地震が起きた時、脳裏をよぎるのは、「また停電は、いやだ」という思い。

経験しないとわからない。

福島から遠く離れた地にいる僕にできることは、例えば、3月11日をスイッチとして、この震災のことを覚え続けておくことだ。

そして差別をしないことだ。
差別は、「つながり」「貢献し」「居場所をつくる」ことで生きていく生物である人から生きる力を奪っていく。