見出し画像

障害者雇用 日々つれづれ 月例ミーティングでのフリースピーチ

人事部ではふだんそれぞれが動いていて、関係する話題の時はメールがCCで送られてきたり、個別で業務について直接話したり、ブレイクタイムには飼っているインコの写真を見せてくださったりする。

それはそれで充分にコミュニケーションが成立していることになるのだが、人事部では全体の情報共有などのために月に1度、定例ミーティングが開かれている。

その定例ミーティングのなかで欠かせない恒例行事となっているのが、それぞれのフリースピーチである。

ミーティングの開始と同時に「それではひとり1分ずつ近況報告をしてください」と司会に告げられ、一人ずつざっくばらんに話してはみんな拍手で温かく見守るというのが定番となっている。

平和なことにひとり1分なんぞ誰も守っていなくて、ふだんはそんなにおしゃべりでもないみなさんなのに、しゃべりだすとどんどん話が別の方向に展開していったりする。

それでも周りはにこにこしながら、ときに「おお!」と反応しながら、とても熱心に聞き入っている。

すごくまじめだなと思うのは、みなさんちゃんと話す内容をメモ作ってきてそれにしたがって話を進めていること。

話し手はちらちらと自分のメモを見ながら、週末に家族で楽しんだおでかけのお話とか、友人の結婚式のお話とか、最近買った文房具のお話とか、それぞれ一生懸命話していらっしゃる。

準備をしっかり整えて、本番ではそれをさらにふくらませながら喋っているようで、結果的に全員がすべて話し終えるには30分以上かかっている。

2時間のミーティングのうち4分の1がフリースピーチなのである。

それでも毎月はずせない、とても重宝されている行事である。


私は教員とやらをやっていたこともあるから人前でなにかしゃべることには慣れているのだが、それでも本番になると緊張するので、1週間前ぐらいから何をしゃべろうかなと思い巡らす。

特に大事なのは、なにがみなさんのためになるか、どうオチをもっていって楽しんでもらえるか、である。

フリースピーチは観客を前にした独り舞台というエンターテインメントだと思ってるから、それなりにネタをじっくり仕込んで虎視眈々と構えている。

これは人を満足させたいというかつての職業病のきらいがあるからなのだが、おかげでみなさんは毎回笑顔になって大いに拍手してくださる。

なんとも代えがたい機会である。


この月例ミーティングのフリースピーチの時間は、人事部のチームに参加しているというあたたかい気持ちになれて、なにより障害者(の立場)ということを一瞬忘れることのできる、貴重なひとときなのである。

ーーーーー日々つれづれと続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?