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障害者雇用で3ヶ月③ 時差出勤

今働いている会社では、基本的に9時が始業時刻である。

これに加えて時差出勤の制度があって、就職当初から「もしよければ・・」と勧められていた(強制ではなく、あくまで通勤が混みあう時間だとコロナ感染も心配だからねということでできたシステムだそうだ)。

実際にほかの社員さんや障害者のなかには7:30とか8:00とかに出社してその分夕方早い時間にあがっている人もいた。

入社したての私には朝起きることだけでもやっとふんばれる修行のようなものだったし、朝には化粧という仰々しく避けて通れない行事もあって早めに家を出る自信がなかったので、障害者の先輩にはほほ笑みながらやんわりと断っていた。

3ヶ月が経つと身体も慣れてきたようで気持ちは前向きになり、夕方明るいうちに家に帰れるのは幸せだなと思うようになったので、障害者の先輩に制度をあらためて聞いてみることにした。

気になったのは、時差出勤とは結局果たしていつ何時に出勤するのだ?ということだ。

先輩によると、時差出勤の始業時間は特に決められておらず、個人の判断で決めていいし、その日その日で変えてもいいよということだった。

ほほう、これはいい制度だ。

身体にとっては厳格に決められるより柔らかな体制のほうが合っている。
脳もその日ごとに調子が変わってくるから、臨機応変に対応できるのはありがたい。
こうなったら活用するしかない。

とはいえ8:00はとうてい無理だったので出社時刻についてはよくよく悩みぬいて、8:20を目途に始めることにした。
定時より早まるのはたったの40分だが、退社時刻を考えるとこれは大きい。
慣れてきたらまた少しずつ時間を早めてみたらよい。

しかしほんの3回やってみたところ、残念なことに、私は時差出勤にはてんでむいていないということが分かった。

いざ今日からと意気込んでみたものの、朝起きると頭がぼーっとして(発作ではない)、普段とあまり変わらない混み具合の電車で(ちょっとだけ空いていたかな、気持ちだけという感じ)、朝が早いぶん昼休憩までの時間が長いので当然ながら11時にはお腹がぐうぐうと鳴って。

もうちょっとがんばったら慣れてくるかもという期待もあったのだが、朝バタバタすると夫との会話も減るし早く帰っても結局夫は帰りが遅いから家でひとりぼっちでご飯だし、なーんだ大してメリットないな。というなんともシンプルな理由で、時差出勤をやめることにした。

障害者の先輩に「時差出勤、向いてなかったので定時に戻します」とにこやかに伝えると、全然いいですよ、とこれまたにこやかに返してくださった。

こんなゆるやかな制度のなんとまあ、ありがたきことよ。

とある精神科医の先生がツイッターで、自分ががんばっていることを分析できるうちは大丈夫だよということをつぶやいていて、私はまだ分析ができているから元気だということを再確認し、このように堂々と晴れやかに時差出勤をやめたのだった。

こういうのを、「栄退」という。(言わないか(笑))

ーーーーー続く

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